ニッポン特撮界の重鎮が逝く 脚本家・上原正三さん死去 82歳、肝臓がん

 「帰ってきたウルトラマン」、「秘密戦隊ゴレンジャー」などでメインライターを務めた脚本家の上原正三(うえはら・しょうぞう)さんが2日午後10時30分、肝臓がんのため死去していたことが9日、分かった。82歳。那覇市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は長男敬太郎(けいたろう)氏。

 1937年生まれ。中央大学卒業後、「収骨」が64年度芸術祭テレビ脚本部門で佳作入選した。「ウルトラQ」、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」のメインライターを務めた同郷の脚本家・金城哲夫氏の紹介で円谷プロダクション入りし、66年に「ウルトラQ」の第21話「宇宙指令M774」でデビューする。

 69年2月に独立後、「帰ってきたウルトラマン」、「秘密戦隊ゴレンジャー」、「がんばれ!ロボコン」、「宇宙刑事ギャバン」といった特撮ドラマやドラマ「柔道一直線」、アニメ「ゲッターロボ」のメインライターを務めるなど数多くの子供向け作品を手掛けた。「ゴレンジャー」でスーパー戦隊シリーズ、「ギャバン」でメタルヒーローシリーズの誕生に大きな役割を果たし、「仮面ライダー」の立ち上げにも一役買っている。

 93年のNHKドラマ「私が愛したウルトラセブン」は、上原さんと共にウルトラシリーズを執筆していた故市川森一さんの脚本で、俳優・仲村トオルが上原さんを演じた。

 沖縄戦で傷ついた子供たちがたくましく成長する姿を描いた自伝的小説「キジムナーkids」(2017年)で第33回坪田譲治文学賞を受賞した。著書に「金城哲夫 ウルトラマン島唄」など。

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