「原発利用すべきではない」 ローマ教皇が警告
ローマ教皇フランシスコは26日、原発はひとたび事故となれば重大な被害を引き起こすとして「完全に安全が保証されるまでは利用すべきではない」と警告した。教皇庁(バチカン)はこれまで原発の是非について立場を明確にしておらず踏み込んだ発言。東京からローマに戻る特別機の中で、記者会見し述べた。
日本滞在中は、遠回しに反対の立場を示すにとどまっていたが、東日本大震災被災者や東京電力福島第1原発事故からの避難者と交流し、被害実態を直接聞いたことが教皇に影響を与えた可能性がある。
原発事故に関し、東京電力福島第1や1986年のチェルノブイリの例を挙げながら、いつでも起こり得ると指摘。「甚大な災害が発生しない保証はない」と強調した。
教皇は会見で核兵器にも言及。使用だけでなく保有についても「倫理に反する」と改めて非難し、世界で核保有が続けば偶発的な事故や政治指導者の愚行により「人類が滅びかねない」と警鐘を鳴らした。