椎名桔平にスペインっ子熱狂 園子温ワールドの主役を怪演 公式上映で拍手喝采

 カタルーニャ地方独特の市街をバックに笑顔の椎名桔平=スペイン・シッチェス
 
 
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 俳優の椎名桔平(55)が6日(日本時間7日)、スペインの海辺のリゾート地・シッチェスで開催されている世界三大ファンタスティック映画祭の1つ「シッチェス国際映画祭」に参加し、拍手喝采を浴びた。鬼才・園子温監督(57)が手がけたネットフリックスの映画「愛なき森で叫べ」(11日世界同時配信)がニュービジョンズ部門に出品され、主演として歓迎を体感。芸歴24年目にして新境地を開いた勝負作が日本から1万キロ以上も離れた情熱の国で熱烈に受け入れられ「自分の節目になる作品」と喜びをかみしめた。

 「ファンタスティコ!(素晴らしい!)」バルセロナから車で40分ほどのリゾート地で“SHIINA”の怪演が、スペインの通たちをうならせた。

 公式上映では笑いが続き、エンドロールが始まるや大きな拍手が鳴り響く。後方座席でファンと鑑賞体験を共有した椎名は「飛行機で十何時間もかかるような場所の方たちが『いいぞ、見事だ!!』と言ってくれる。映画に国境はないんだなと思いますね」と目尻を下げた。

 「愛なき森で叫べ」は、2002年に首謀者が逮捕、のちに死刑判決を受け、7人の死亡者が確認された北九州監禁殺人事件にインスパイアを受け、物語を紡いだ作品。当初は全7話のドラマとして撮影されただけに、2時間半に凝縮された内容は濃密だ。椎名は言葉巧みに人々を取り込み、マインドコントロール下に置いていく詐欺師・村田を多面的に演じ、園ワールド全開の振り切れた役に説得力をもたらした。

 台本7ページに及ぶ長セリフがあろうが常にリハーサルはなく、むき出しの演技をぶつけ合う園流の演出に「新人の頃に戻ったような気持ち。演出に対峙(たいじ)して、どう乗り越えるか」と、21歳デビューの55歳がガチンコでぶつかった。百面相を使う主人公の中に確固たる本質を内在させる複雑な役どころで「1つの映画の中でこれだけ多様性を見せなければいけないのは初めて。七変化しながら、エッジを効かせて一つの役を浮かべていく。1人何役だったのか、という、そういう経験は次のチャレンジの糧になる」と新境地を楽しんだ。

 上映前には、現地のカタルーニャ語で「ボナニッツ シッチェス(こんばんは、シッチェス)。コムエスエウ?(みなさん、元気ですか?)ジョダンベ エスティック モルベー(僕も元気だよ)」とあいさつし、満員の観客350人のハートをわしづかみ。新たな代表作と言える本作でも魅了し、世界にその名を知らしめた。

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