「デビルマン」の永井豪氏、ぼやく「最近では世の中の方が過激になってしまい…」

キューティーハニーにふんした高崎かなみ(左)からのプレゼントを喜ぶ永井豪氏=東京・上野の森美術館
再現された仕事場に座る永井豪氏(右)とキューティーハニーにふんした高崎かなみ=東京・上野の森美術館
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 「マジンガーZ」、「バイオレンスジャック」、「ススムちゃん大ショック」、「魔王ダンテ」、「ガクエン退屈男」等々、数多くの歴史的な名作を世に送り出した漫画家・永井豪氏(74)の画業50年突破を記念した「画業50年“突破”記念 永井GO展」(14~29日、東京・上野の森美術館)の内覧会が13日、同館で開かれ、永井氏が50年を振り返った。

 スカートめくりなどのお色気描写が激しい非難を浴びた「ハレンチ学園」など物議を醸した作品も多い永井氏は「いろんなものをダメダメと言われてきた。ギャグ漫画でデビューした頃は、女の子の水着姿だけでダメと言われた。自分がおかしいのか、世の中がおかしいのか、悩んだこともあった」と告白。

 「今では私の過激がかわいいととらえられるようになった。過激が自分のスタイルなので、今でも過激を探しているが、世の中が変わり、最近では世の中の方が過激になってしまい、何をやってもおとなしく見えるようになってしまった」と、時代の移り変わりをぼやいてみせた。

 最大のピンチを聞かれると「何度もあり、辞めたいと思うこともありましたが、結局自分には漫画しかない、続けるしかないという思いで続けてきた」と打ち明け、「過激と思われ、各社の編集長と次々とケンカをし、連載は中止に。その度に雑誌を替えて連載を続けてきた。どんな雑誌でもチャンスをもらえれば描いてきた。編集部が変わると表現も変わるので、自分の新しい一面に気付くことができた。ピンチをチャンスに変えてきました」と、数々の革新的な作品を生み出してきた原動力を明かした。

 最も思い入れのある作品は「デビルマン」だといい、「ギャグ漫画から、初めてストーリー漫画を描いた作品。ストーリー漫画家としてここで成功しなければという気持ち、また、テレビアニメも同時進行していたことで、さまざまなジレンマもあった」と説明。

 また、インスピレーションの源を「子供の頃美しいヌードを描きたいと参考にしたのは教科書に載っていたビーナス。美術館を巡るようになったのはプロになってから。ギュスターヴ・モローの絵画も好き。ファンタジーの要素や現実にないもの、神話の世界を描いた作品にひかれる」と明かしていた。

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