京急横転 トラックと衝突…直前に緊急ブレーキも回避できず トラック運転手死亡

 5日午前11時40分ごろ、横浜市神奈川区の京急線神奈川新町-仲木戸間の踏切で、青砥発三崎口行き下り快特電車(8両編成、乗客約500人)が大型トラックと衝突した。先頭から3両目までが脱線し、トラックは炎上。神奈川県警によると、トラックの本橋道雄運転手(67)が死亡し、電車の運転士と乗客の計33人が軽傷を負った。京急線は事故後、一部区間で上下線の運転を見合わせた。6日夕のラッシュ時間帯までの運行再開を目指すとしているが、ずれ込む可能性がある。

 「危ないぞ」。先頭車両で前を見ていた乗客が踏み切りに入る直前、声を張り上げた。「ガン」と強い衝撃が走ると、電車が傾き、折り重なるように乗客が倒れた。パニック状態の車内で、悲鳴のような声が上がった。車体が右側に傾いた状態で10秒ほど走行し、ようやく止まった。窓の外では、外れたパンタグラフがバラバラと音を立てて落下していた。

 複数の救急車と消防車が駆けつけた現場は騒然とした。車の積み荷だったレモンやオレンジが広範囲に多数散乱していた。消防隊員や京急の作業員が線路内に入り、救助作業に当たっていた。開けた窓から脱出した男性は「死ぬかと思った」と振り返った。

 京浜急行電鉄によると、現場付近は通常、時速約120キロで走行し、電車は衝突直前にブレーキをかけていた。県警によると、電車は衝突後、トラックを60~70メートル引きずって止まった。捜査関係者によると、トラックは線路沿いの道路から右折して踏切に進入したが曲がりきれず、ハンドルを切り返しているうちに立ち往生し、衝突したとみられる。

 県警はトラック側に過失があったとみて、自動車運転処罰法違反の疑いで捜査を開始した。京急によると、踏切手前では「障害物検知装置」が作動、信号が点滅しているのに気付き、運転士が非常ブレーキをかけた。今後、車両データを検証してブレーキ位置などを調べる。

 踏切で衝突したのは、千葉県香取市の運送会社「金子流通サービス」のトラック。同社によると、横浜市から千葉県成田市に向けて果物などを運ぶ途中だった。死亡した運転手はこの日、午前4時ごろから働いていた。以前、同じルートの運送業務をしたことがあったが、今回通ったのは、会社が教えた道路と違っていたという。

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