どん底知ったからこそ輝く女優ソニン 10日放送「ボイス-」での虐待母怪演が話題
女優のソニン(36)が来年、デビュー20周年を迎える。10日放送の日本テレビ系ドラマ「ボイス 110緊急指令室」では息子を虐待する母親を演じ、息が詰まるような演技が話題となった。アイドルとしてデビューし、過酷なロケなど、さまざまな経験をしてたどり着いた「今」。「芝居は人生経験が全て生きる」と語るソニンの唯一無二の演技力はどこから来るのか。
「ボイス-」での怪演は「怖すぎ」「ホラー」などと反響を呼んだ。ドラマ出演は約7年ぶりだったが、型破りな演技に圧倒された視聴者も多かった。
現在、舞台やミュージカルで活躍中。今年はブロードウェーミュージカル「キンキーブーツ」に2度目の出演。2004年の初舞台から計25作の作品に出演してきた。
アイドルとしてデビューして、紆余(うよ)曲折があった。ソロ曲「カレーライスの女」の“裸エプロン”のPVが大きな話題となった。その後も「土佐犬と戦ったり、その時の風潮ですよね」と過激なロケが激増。「トロッコに乗せられてガガガーって状態。常に押されて乗っかっているだけ」。憧れだった世界がゆがんで見えた。
厳しい世界に必死にしがみついた経験から言えることがある。「私は極限状態までいってるし、(普通は)表現できない感情を知っている」。ソニンの演技力はどん底も知る“経験”が生きている。
今後はグローバルな活動も考えているが、「日本発信で海外で仕事することも可能」と日本での活動にこだわりがあるという。「20年間、私を応援してくれ、育ててくれ、つないでくれた人と常に触れ合っていたい」とファンへの思いを明かした。
10月には東京、大阪で20周年前年祭イベントを行う。「人間って、選んで死にそうになるくらいの感情まではいかない。でも私は知らず知らずそうさせられて、それが生きている。女優って本当に良い仕事だと思うんです。酸いも甘いも」。演技の幅を広げながら、20年の節目を通過する。