宝塚歌劇月組トップスター珠城りょう主演の「ＯＮ　ＴＨＥ　ＴＯＷＮ」が２７日、大阪・梅田芸術劇場で初日を迎えた。１月に東京国際フォーラムで、トップ娘役・美園さくらのお披露目公演として上演。主要キャストである水兵のオジーは、東京公演では風間柚乃が演じていたが、今公演では花組から組替えで戻ってきた鳳月杏が演じている。また主要な女性キャストも白雪さち花、夢奈瑠音、海乃美月が役替わりで挑戦する。

　同作は「ウエスト・サイド・ストーリー」で知られるレナード・バーンスタインが作曲。１９４４年にブロードウエイで初演された。「ウエスト・－」を彷彿とさせる耳なじみのよい音楽に彩られたコメディ。２４時間の上陸許可を得た海軍水兵のゲイビー（珠城）が、地下鉄のポスターの美女アイヴィ（美園）に一目ぼれ、オジー、チップ（暁千星）にもそれぞれ恋の花が咲き…。もともとがブロードウエイ作品のため、トップ娘役が３点倒立に挑戦したりと、娘役が積極的に恋を仕掛けたりと、ふだんの宝塚とはまた違った面白さがある。

　オジー役の鳳月は２０１４年に月組から花組に組替え。４月２９日付で再び月組に戻り、今回から月組公演に出演している。プロポーション抜群だが、今回は原始人にそっくりの野性的な役で、重層的な面白さを醸し出している。また水兵役の３人がそれぞれ個性豊かで、東京公演とはまた違ったコントラストを見せている。

　８月１２日まで。