前川清の娘・侑那が同性愛告白 父が後押し…本当の自分の姿見せる

 歌手・前川清(70)の次女で今年1月にメジャーデビューしたロックユニット「Dire Wolf」のボーカル・Yuこと前川侑那(27)が、このほどデイリースポーツの取材に応じ「私はレズビアンです」と明かした。実は学生時代から周囲に隠すことなく生活していたという。メジャーデビューを機に、テレビ出演など露出が多くなったが、仮でなく本当の自分の姿でいる方がこれから自分らしく生きられるのではないかと思い、告白に踏み切ったという。

 ごく普通に自己紹介するように、侑那は明るく語った。「自分の性を語る時、一番しっくりくるのは『レズビアンで、表現する性は男性』ですね。今でも何なのか探していますけど」。そこにためらいはなかった。

 実は、子供のころから体は女性だが心は違った。「最初は性転換して男性になりたかった」と振り返る。それも年を重ねるごとに考えは変わっていった。数年前、交際していた女性から「あなたが男でも女でも好きになった」と言われたことが大きな転機。「別に男でなくてもいい。女性のまま女性を好きになってもいいんだ」と思うようになった。それまで「男女という枠にとどまらない自分は何なのかを、ずっと探していた」が、この言葉がキッカケとなり「-表現する性は男性」にたどり着いたという。

 27年の人生で、自分を周囲に隠すことなく素直に表現して生きてきた。かわいらしい女子の服を着ていたのは幼稚園まで。小中高とスカートははかず、制服も男子と同じくスラックス姿で通学した。もちろん両親や周囲の理解があってのことだった。

 「周囲の人たちにも恵まれていました。自分から明かしていたし、それに対しみんなが『侑那は侑那だから!』と理解し、普通に接していましたから」と振り返る。

 今年1月のメジャーデビュー後も隠すつもりはなかった。だが、大物歌手の娘という立場を考え「明かせば父に迷惑を掛ける」と、積極的に公にすることは控えていた。

 このタイミングで公表したのは、メジャーデビューの前後でテレビ番組出演などの露出が増えたのが理由だった。「自分自身にウソをついて、女の子を演じているのが、ちょっとキツくなっていった。ありのままの自分でいる方が、いい方向に向かうのではないか。ずっとこのまま隠していることは、気持ち悪い」と感じたという。

 胸にモヤモヤを抱えていた時に、父・清の後押しがあった。自ら相談することはなかったが、ある日突然「今は時代も変わった。個性が重視される時代だよ。お前は自分の本当の面を出して活動した方がいい。その方が幅が広がるし、面白いと思うな」と、背中を押された。父の心強い言葉を受け、「メジャーデビュー半年ほどの今ならまだいい」と告白を決めた。

 「まだまだ世の中では理解されない部分もあり、公表できず苦しんでいる人も多いと思います。でも自分が明かして活動することで、苦しんでいる人が言えるようなキッカケになっていけばいいと思います」

 最後までしっかり前を向いて語っていた。

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