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吉行和子、佐藤浩市&寛 一 郎親子との共演で感じた三國連太郎さんの魂

映画「雪子さんの足音」に主演した吉行和子(C)2019株式会社旦々舎
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 女優歴は60年を越える。5月18日公開の映画「雪子さんの足音」に主演している、女優・吉行和子(83)。ひとつの仕事を長く続けていると、奇跡のようなことが起こる。過去に映画で何度も共演した三國連太郎さんの孫で、佐藤浩市(58)の息子・寛 一 郎(22)と本作で初共演。佐藤とも友情出演という形で顔を合わせた。“親子三世代”共演を実現させた吉行は「三國さんと一緒にいるような気持ちになった」という。その奇跡がもたらした不思議な感慨とは。

 女流作家・木村紅美による第158回芥川賞候補作が原作。寛 一 郎扮する青年・薫を食事や小遣いで飼い慣らそうとする謎多き老大家、雪子をエネルギッシュに怪演する。原作と脚本に目を通して、生き生きと描かれる老女の姿に「血が騒いだ」という吉行は「高齢になるとおばあさん役が増えますが、そのほとんどが“生まれたときからのおばあさん”みたいな、それまでの人生がまったくないかのようなキャラクター。でも女の人はいくつになっても面白い生き物。歳をとろうが女として生きている雪子さんに魅力を感じた」とリアルなキャラクター造形に惚れ込んだ。

 高齢になるとぶつかる壁も本作に限っては全くなかった。“演じる”という言葉よりも“憑依”という言葉が近い。「役が気に入ったものですから、セリフも素直に私の中に入ってきて、苦労するということはありませんでした。若い男の子を支配下に置くという、やっと巡ってきたシチュエーションに対して雪子さんは嬉しかったはず。その気持ちを思うと私自身もなんだか嬉しくて(笑)。撮影期間中は自分でも『生き生きしているなぁ』と思ったほど」と心身ともに若返った気分だ。

 青年・薫を演じた寛 一 郎、その父である佐藤浩市との共演には感慨深いものがあった。「19歳の時に初めて会った佐藤浩市さんの姿と今の寛 一 郎クンの姿がダブったし、佐藤さんと芝居をやっているときに、三國さんと一緒にいるような気持ちになりました。『私も長いことこの世界でやっているんだなぁ』と不思議な感覚になった」と目を細める。親子三世代との共演を通して「3人ともほかの役者にはない異質なモノを持っている。三國さんは素晴らしい役者で、本当に面白い人でしたから。その魂はちゃんと寛 一 郎クンにまで受け継がれている」と役者魂のリレーを見届けた。

 雪子役に関わらず「役をいただき、その役になって過ごしているときが一番楽しい」と芸歴60年を超えても演じることに飽きはなく「趣味もないし、家に包丁がないくらい食にも興味がない。ですから今後役がもらえなかったらどんなおばあさんになってしまうのかしら」とユーモア交じりに不安を口にするが、『雪子さんの足音』での瑞々しい振る舞いには、生涯現役の意志と凄みがある。(まいどなニュース特約・石井隼人)

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