仁徳天皇陵など百舌鳥・古市古墳群 世界遺産へ 6月30日以降に正式決定
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は13日、日本最大の前方後円墳「仁徳天皇陵古墳」(大山古墳、堺市)を含む大阪府南部の「百舌鳥・古市古墳群」を世界文化遺産に登録するよう勧告した。全49基の古墳が対象。文化庁が14日未明、発表した。6月30日~7月10日にアゼルバイジャンで開かれるユネスコ世界遺産委員会で正式に決まる見通しで、天皇や皇族が葬られた「陵墓」が世界遺産になるのは初めて。令和に入り最初の世界遺産となる。
委員会は勧告を尊重するのが通例で、登録されれば日本の世界遺産は文化19、自然4の計23件。文化遺産の登録は2013年の「富士山」以降7年連続。
勧告は、形や大きさも多彩な古墳が造られた歴史的価値を「傑出」と高く評価し、適切な保存管理も認めた。ただ古墳の周辺に市街地が広がるとして、開発圧力への懸念を指摘。文化庁と地元自治体は、開発が古墳に与える影響を予測し、早期に対策を講じる仕組みづくりに取り組む。
古墳群は、4世紀後半から5世紀後半までに築造された49基で構成。墳丘の長さ486メートルで「世界最大級の墳墓」とも呼ばれる仁徳天皇陵古墳をはじめ、425メートルの前方後円墳「応神天皇陵古墳」(誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳、羽曳野市)から数十メートル規模の円墳まである。一部は国史跡として保護し、陵墓などは宮内庁が保全管理している。
政府は、多彩な墳墓が集中して残る世界的にもまれな事例だと強調。「墳墓が権力を象徴した時代の政治・文化を伝える物証」として18年、ユネスコに推薦した。
仁徳天皇陵古墳など一部の名称を巡っては被葬者が特定できていないとして学会などに異論もあるが、推薦書は宮内庁が陵墓として管理していることを踏まえ「天皇陵古墳」と表記した。勧告で疑義は示されておらず、登録名称となる見通し。
20年には、政府が推薦した自然遺産候補「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)の登録審査が予定されている。
