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日本発!結成39年目のヘビメタバンドが今、バルト三国で熱い注目

 サーベル・タイガーの(左から)水野泰宏、田中康治、下山武徳、木下昭仁、hibiki=東京・渋谷のGARRET
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 1981年に結成された大ベテランのヘビーメタル(HM)バンド「サーベル・タイガー」がなぜか今、日本から遠く離れたバルト三国やロシア、ウクライナで熱い注目を浴びている。ボーカルの下山武徳とギターの田中康治に話を聞いた。

 始まりは「オランダでメタルをやっているバンドとフェイスブックで仲良くなって、3年前にオランダでライブをした」(下山)こと。そこで出会ったライターに紹介され、ラトビアのレーベルと契約した。第1弾CD「バイスタンダー・エフェクト」は昨年、50カ国でリリースされ、5月に4カ国12公演のツアーを敢行した。

 下山は「アジアではメタルは弱く、アイドルポップスが主流。アメリカではヒップホップが主流。こういうジャンルを一生懸命やっているバンドは大変」とHMの現状を説明。欧州では事情が異なり「ファンベースの層が厚い。HMの音楽がちゃんと根付いている気がする」という。

 3月発売のドキュメンタリーDVD「DEVASTATION TRAIL」で分かるが、ツアー環境は過酷だった。

 例えば「街と街を結ぶ道路がなくて、2時間くらいで着くところが7時間も8時間もかかる。道路が劣悪で陸の孤島が普通にある」(下山)「トイレが流れないなんてざら」(田中)「風呂のお湯が出なくて、最後は水も出ない」(下山)…。社会資本が整備された日本とは全く違う、「想像もしていなかった」(下山)環境に放り込まれた。

 ウクライナからロシアに入国する時は、両国関係が悪化しているだけに「審査が厳しく隅々まで調べられて、半日つぶれたくらい簡単には入れなかった」。会場の機材も「ろくに手入れもしていないが音は一応出る」というレベルだが、聴衆との出会いは素晴らしい体験になった。

 「ライブは本当に良かった。ジャンルが違っても音楽を楽しんでもらえる。より音楽で盛り上がろうという姿勢がある気がします。バンドのことを知らなくても身体を動かしちゃう。(客層は)老若男女、本当に広い。若い人も多いけど、HMが分からなさそうなおじいちゃんもいて、世代も年齢も性別も超えて、楽しんでいる姿を見るだけでこっちも上がってくる」(下山)

 「どこに行っても大盛況。わずかにHMキッズもいるけど、圧倒的に日本のバンドが来たから行こうという人。全くHMを聴かないような人でも、3曲目4曲目と進んでいくと前方にどんどん集まってくる。最後に写真を撮ろうとステージに上がってきたり。ふだん聴かないような人でも、行っていい演奏をすれば楽しんでくれる。YouTubeで事前に予習してくれるお客さんもいた」(田中)

 中には何十年間も輸入盤で聴いていて、生サーベルを心待ちにしてくれていたファンもいたという。

 長い歴史を持つバンドだが、2010年に「今のメンバーになって、海外に行くということを当初から目標にして、いろいろ試行錯誤していた」(田中)だけに、現在の展開を「とてもうれしい」と率直に喜ぶ。

 好評を受け、今年6月にはエストニアの大規模なフェス「HARD ROCK LAAGER 2019」に出演し、ラトビア、リトアニアでツアーを敢行。「しっかりいい演奏をやらなきゃ。海外で存在をアピールするチャンスをつかんだわけなので、もっといい形で動いていけたら」(田中)と、結成39年目でのさらなる飛躍をもくろんでいる。国内では5月に地元・北海道ツアー、8月に東名阪ツアーを行う。

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