せんだみつお、デストロイヤーさんへ「僕を全国区にしてくれた恩人」番組で長年共演
日本でプロレスブームを巻き起こした覆面レスラーのザ・デストロイヤー(本名・リチャード・ベイヤー)さんが7日(日本時間8日)に88歳で亡くなったことを息子でプロレスラーのカート・ベイヤー氏が自身のフェイスブックで明かした。
訃報を受け、1973年から79年まで放送された日本テレビ系「金曜10時!うわさのチャンネル!!」で共演したタレント・せんだみつおが「僕を全国区にしてくれた恩人」と感謝しつつ、「4の字固めは弁慶の泣き所が割れる感覚!」と痛みをよみがえらせて、しのんだ。デストロイヤーさんの死去はこの日朝、せんだの長男から電話で聞いたという。
生放送で行われた収録を振り返り、「最初は体は大きいし、覆面をかぶって怖かった。力道山をいじめた悪役と敵視していた。でも本当はナイーブで優しい人でね。楽屋では覆面を取ってるから、『どこの外国人だよ?』というと『私、デスだよ!』と笑顔で答えてくれた」と懐かしがった。
番組では、デストロイヤーさんが、出演者に必殺技の4の字固めをかけるのが恒例だった。せんだももちろん“被害”にあった1人。「痛いなんてもんじゃない。弁慶の泣き所が割れる感覚でね。ディレクターからは『本当に痛いときは“痛い!痛い!”って言ってください。緩めますから』と言われていたのに、全然緩めてくれなくて。本人には『痛い!って言われたら、もっとやってくれ』と教えていたんだよ」と苦笑した。
デストロイヤーさんに、トップ映画スターを紹介されたこともあった。「デストロイヤーさんは生放送が終わると、六本木のトレーニングジムに通っていてね。トレーニング後にジムの前で会ったら、高倉健さんもいらして、紹介してもらったよ」。チャーミングな人柄から、誰からも愛された。
2010年に、日本で開かれたデストロイヤーさんの80歳の誕生祝いで会ったのが最後だった。「長嶋さん、裕次郎さん、美空ひばりさんと並んで、戦後日本の復興を盛り上げてくれた人だと思う」と恩人へ最大級の賛辞を送ったせんだ。「いつか私もそちらの世界に行くと思いますが、また会いたい。そのときに、4の字固めだけはかけないでくださいね」と天国に旅だったプロレス王に呼びかけた。