俳優の滝沢秀明（３６）が１２日、都内で行われたＷＯＷＯＷの主演ドラマ「連続ドラマＷ　孤高のメス」（来年１月１３日スタート、日曜、後１０・００）の完成披露試写会に登場した。年内でのタレント引退を表明しており、出演者としてはこの日が最後の会見。出演作に「手応えがあった」と充実感を漂わせた滝沢は、引退を悲しむファンたちへ「さよならではない。行ってきます」と語りかけ、新たな一歩を踏み出した。

　今年９月、年内でタレントを引退し、演出家に転身することを表明して世間に衝撃を与えた。来年からはジャニー喜多川社長（８７）の後を継ぎ、サポート役に回る。

　今年の漢字一文字を聞かれた滝沢は「行」と回答。「さよならではない。使いたくない。行ってきますという意味で“行”にしたい」と説明すると、会場は門出を祝福する温かい拍手に包まれた。

　引退を惜しむ声が多い中での一大決心。来年からの抱負を「大きくなって…身長では無理ですけど」と自虐を挟みつつ「期待に応えられる男になりたい」と力強い口調で誓った。

　ドラマは、同名小説が原作。腐敗した医療体制の中で患者と向き合い続けた医師（滝沢）の奮闘を描いたヒューマンドラマで、２０１０年には映画化もされた。

　滝沢は最初で最後の外科医役に挑戦。「手応えとやりがいがあって楽しかった」と最後の出演作に満足の表情。「（主人公は）信念を持っていて、どんな状況に置かれてもぶれない。男から見てもすごくカッコいい生き方だと思う」と自身の憧れの男性像についても語った。

　俳優の長塚京三（７３）とは２０年ぶりの共演だった。長塚から「クールさに磨きがかかって、今や“歩く孤高のメス”ですね」と絶賛されると、「いやいや…」と大テレするなど、最後まで明るい雰囲気作りに務めた。

　退場の際には、客席から「タッキー！」の大歓声。ファンの声援に背中を押され、来年からは新たなステージに立つ。