列島猛暑で学校のプールも中止 水温上昇…「泳ぐと疲れる」熱中症予防へ

 日本列島は25日、高気圧に覆われ、山口市で38・8度を観測するなど西日本を中心に気温が上昇した。連日の記録的な猛暑を受け、各地の学校や教育委員会でプールの使用を中止する動きが広がっている。水温やプールサイドの気温が上がり、子どもが熱中症になることを避けるためだ。また男性用の日傘の販売数が急増し、「日傘男子」という言葉がネット上で躍るなど、“酷暑余波”が全国に広がっている。

 夏休みに学校で開かれるプール教室は子どもの楽しみで、涼を求めるものになるはず。なのに…連日の記録的な猛暑を受け、各地の学校や教育委員会でプールの使用を中止する動きが広がっている。

 東京都新宿区の区立西新宿小。24日午後3時半ごろ、屋外プールの日陰になる場所に設置された温度計の目盛りは38度を指していた。「プールに入ると生ぬるく、泳ぐと疲れてしまう状態だ」。清水仁校長(55)が額の汗を拭って説明した。

 同校は23日から予定していた水泳指導を2日連続で中止にした。プールサイドに遮光ネットを張り、日陰をつくっているが、この猛暑では焼け石に水の状態だという。

 「プールでは子どもは夢中になり、知らぬ間に体力を消耗してしまう」と清水校長。児童からは「泳ぎがうまくなりたい」「夏休みでも友達に会いたい」との声も寄せられるが「命には代えられない」と言い切る。

 教育委員会単位で中止に踏み切るケースも出ている。愛知県安城市教委は24日付で、市立小中学校に週内のプール使用中止を通知した。23日までは各学校の判断に委ねていたが、担当者は「これだけ暑い中でのプール活動は危険。一律で中止判断をした」と話す。

 文部科学省が2014年に発表した水泳指導の手引は、望ましい水温を23度以上としつつも「あくまで目安で、水温、気温などを考慮して判断することが大切」とも記載。スポーツ庁の担当者は「気温や水温が何度に達したら中止するという基準はないが、各教委や学校で適切に判断してほしい」と呼び掛ける。

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