ガンダムファンの愛情は化け物か…NHKが投票を募った理由【インタビュー1】

 NHKのある企画がネット上で話題を集めた。5月5日放送の「発表!全ガンダム大投票」(BSプレミアム、第1部・後9時、第2部・後11時45分)へ向けて4月20日まで受け付けられていた「作品」、「キャラクター」、「モビルスーツ」、「歌(ガンダムソング)」の4項目での人気投票である。なぜガンダムでここまで大規模な投票番組を作ろうとしたのか、番組プロデューサーの柏木敦子氏と土橋圭介氏に狙いを聞いた。

 -今回、ガンダムの投票番組を作ろうと考えた狙いは。

 柏木「去年の同じゴールデンウィークに同じように投票のイベント(「ベスト・アニメ100」)をやったんですね。1万タイトルぐらいある中でどれが1番好きですかと(募った)。それがすごく手応えがあって。何をやろうかってなった時に、やっぱり投票でやるのがいいんじゃないかと」

 (続けて)「アニメ100年に遜色ない物をということで思いついたのがガンダムだったんですよ。古い物も、新しい物も、ガンダムだといろんなガンダムがあるじゃないですか。40年前の物もあれば今年の物もある。男性に人気の物もあれば女性向けの物もある。子供向けの物もあれば完全に大人向けの物もある」

 -ほかにはどのような案があったのか。

 土橋「スポ根とすると『巨人の星』みたいな物と『テニプリ(テニスの王子様)』とか『黒子のバスケ』とかとでは見ている層がまったく違うので、同じくくりの中で皆さんが楽しめないんじゃないかという話をしていました。ガンダムだと、たまたま一つのタイトルが、いろんな形態を変えながら40年間ずっと作り続けられている。僕はファーストの世代ですけど、2000年以降に若い人たちが見ている物はガンダムっていう共通項がありながら『俺はあれが好き』っていう議論がしやすいのかなと」

 柏木「投票しても何ももらえるわけじゃない。ですけどみんなわざわざ投票をしてくれて、自分が好きなのはこれだったと言いたい。いろんな人と共有したい、ということに答えられるんじゃないかなと思います」

 -放送されるまでの期間も大事になる。

 柏木「実はそこ(放送)までがすごく大事で。フィナーレが5月5日。思いを集めることが大事で。集めて皆さんの気分が盛り上がってくるのが仕掛けとしてはメインなのかなと」

 土橋「投票がいいなと言った最大の理由はそこなんですよね。昨今、テレビってともすると瞬間的にしか見られないとか、番組そのものの存在が知られていなくて、狭いターゲットの人にしか見てもらえないことがあるとか」

 (続けて)「実はガンダムって絞っちゃうとあまりこないんじゃないかと思っていたんです。100年の歴史の1万タイトルから選ぶのと比べると、と思っていたんです。でも全然、比じゃないぐらい、ガンダムの(投票数の)跳ね方がすごくて。ブランド力というか、タイトルの力って大きいなと」

 -絞った方が反響があったと。

 柏木「実は投票自体は広がってるんですよ。アニメ100年の時はタイトルしかなかったんです。今回はキャラクターとか、モビルスーツとか、作品、歌も入っているので。見ると思い出すじゃないですか」

 -苦労をしたのは。

 柏木「作った後が大変だったんです(笑)」

 土橋「皆さん、熱いファンで、よく知っていらっしゃるんですよね。設定とか、アニメ以外の小説とかゲームとか。公開した瞬間からこれがないとか、モビルスーツの形式が間違っているとか、すごく細かい声が毎日来るんですよね。こちらとしてはアニメ56作品に対象を絞って、今回はやっていますとホームページ上に丁寧に書いているつもりなんですが…。それでも小説に出てきたあれがないとか、ゲームに出てきた物がないとか、実写映画の物がないとか…」

 柏木「愛があふれていますよね」

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