夏木マリ「プレーヤー」45周年…尽きぬ“遊び心”「女優」と呼ばれるの嫌ッ!

 歌に、演技に、声優業に、幅広い活躍を見せる夏木マリ(65)が、デビュー45周年を迎えた。多岐にわたる仕事をこなす中、肩書がこだわりのひとつで、自身を「プレーヤー」と表現する。5年後には芸能人生も半世紀という大きな節目となるが、「また何か新しいことをやりたくなるんだろうな。きっと」とまだまだ“遊び心”は尽きない。

 生き方が多くの女性から支持を集めている。還暦を超えたが、年齢は「記号」と捉えて、アグレッシブな行動力は衰え知らずだ。演技の仕事を多くこなすも、「女優」と呼ばれることを極端に嫌う。

 「女優って書かれると、厚化粧な感じがしてね。最近は嫌な理由がより明確になってきたの。映画やドラマに1、2本出て、女優という人もいるじゃない。そういう人と一緒にしないでというプライドもあると、この頃思う」

 肩書を聞かれたときには、「プレーヤー」と答える。「子供が初めておもちゃを持ったとき、本気で遊んでる。あのくらいの余裕で仕事を進めたいという希望で、プレーヤーというのが好きですね」

 シンガー・ソングライターの斉藤和義(51)は“夏木イズム”をリスペクト。「Player」と名付けた楽曲を制作して、夏木に贈った。「私が死ぬ頃には、プレーヤーという呼び方が浸透しますよ。誰かまた、別のプレーヤーも出てくるでしょうし」とおどけた口調で話すが、本心だろう。

 3月3日には、10年ぶりの主演映画「生きる街」が公開となる。東日本大震災が題材で、津波で漁師の夫が行方不明となり生活が一変した民宿経営者・千恵子を演じた。宮城県石巻市でのロケ中には、マグニチュード7・4の地震に遭遇。震度4を観測した現地では津波も発生した。

 「地元の方に『あんなの、ないよ』と言われるとつらいじゃないですか。なるべく寄り添って演じたかったけど、実際は経験してないから迷いもあった。地震に遭ったときの、あの恐怖。皆さんとは比べ物にならないけど、体験できたことは俳優としてはよかったと思う」。被災者への配慮をのぞかせながら、慎重に言葉を紡いだ。

 被災地での撮影を経て、復興支援への考え方もあらたまったという。「私たちは映画を作ったり、ライブをしたりして、みんなと共有する時間ができるのは喜び。気持ちを共有することを続けないといけない」。間もなく発生から7年となる東北へ、温かな心を向けた。

 1973年にデビュー曲「絹の靴下」を発売してから45年。デビュー50周年が迫るが、「周年に何かをやるのは恥ずかしくて。何周年とか言っても、ファンの人はいつからファンになってくれてるか分からないから」と意に介さない。「あっという間だったけど、50ってすごい?重みはあまり感じてない」。一流しかたどり着けない誉れも、通過点にすぎない。

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