一般社団法人　日本映画製作者連盟の「２０１８年新年記者発表会」が２５日、都内で行われ、１７年の全国映画概況が発表された。公開された邦画５９４本、洋画５９３本を合わせた興行収入は２２８５億７２００万円で、前年比９７・１％。東映グループの岡田裕介会長（６８）は「２０００年から興収を発表しているが、１８年間では２番目の好成績。前年割れだが、良かったのでは」と報告した。約１０３億円と前年比１１８・６％だった洋画について「少し盛り返した年」とした。

　また、邦画の興収１０億円以上は「名探偵コナン　から紅の恋歌（ラブレター）」の６８・９億円を筆頭に計３８作。洋画は「美女と野獣」の１２４億円がトップで計２４作だった。岡田会長は、興収５～１０億円の邦画が３０本（洋画は１２本）あったことに「日本映画が信用を取り戻してきた証し。一昨年のようなメガヒットはないが、全体として力をつけている。ＣＧの発達が大きい。デジタル化はハリウッドばかりじゃなく、日本映画もなかなか素晴らしいのでは」とコメントした。

　また、入場料が１０００円となったことで高校生の“映画回帰”が顕著とした。東宝の島谷能成社長は「（来場は）倍増した。１０００円になったのがインパクトになっている。高校生が映画館に来やすくなったとき、少女コミックの映画化があり、女子高生が詰めかけた」と分析。興収上位では３位の「銀魂」（３８・４億円）、５位の「君の膵臓（すいぞう）をたべたい」（３５・２億円）などに“高校生効果”があったとした。