現役看護師とシンガー・ソングライターの二刀流 瀬川あやかインタビュー前編

インタビューに答えた瀬川あやか=大阪市内
インタビューに答えた瀬川あやか=大阪市内
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 プロ野球・大谷翔平投手の米大リーグ・エンゼルス入団が決まり、二刀流をメジャーでも貫けるか注目が集まっているが、芸能界でも現役看護師との二刀流で奮闘するシンガー・ソングライターがいる。昨年6月にメジャーデビューした瀬川あやか(25)だ。インタビュー前編では、二刀流生活について聞いた。

  ◇  ◇

 瀬川は看護師と歌手の二刀流について「物心ついた時に、同時期になりたいって思った」という。大学に入学して上京し、現在の事務所に所属して「夢、語ってみてもいいのかな」と、二刀流が現実味を帯びていった。

 人前で歌い始めたのは大学から。「お客さんがゼロ」という誰もが通る道を経て、年間50本以上のライブをこなしてスキルを磨いていったが、瀬川の場合は音楽の他に、看護師を目指すための学業もあった。

 「看護師の学校って忙しいので。大きなオーディションに落ちた時に、気持ち面でも普通にやられてしまい、そこから始まる大きな実習への重圧みたいなところから、『たぶん私こっちの活動できません』って(所属事務所の)社長にお話をした」と、一度は音楽を諦めかけた。

 社長は「気が変わったら戻っておいで」と声をかけてくれたといい、瀬川は実習が終わりに近づいた頃に「モヤモヤしたままいられない。ごめんなさい、あんなこと言ったんですけど」と謝って音楽に戻った。「進路希望提出の時期、4年生ですね。ギリギリまで迷ってっていう感じ」だったという。

 二刀流を選んだ理由は、社長が「看護師の資格はちゃんと取ろう」と励ましてくれたこと。そして、実習中のある患者との触れ合いだった。

 「両極端な職業だと思っていたんですよ。どっちにしようかなって迷っていたんですけど、実習中に自力で動けない患者さまがいたんですけど、その方の好きな曲がソーラン節だってところで、私が移動する時に『ソーラン、ソーラン』って言いながら介護してると、その方が『なんか今日は身体が軽くなった気がする』とか、かけ声に合わせて自分で動くんですよ」

 その姿を見て、「音楽に秘められた力とか可能性をすごく感じて、医療の現場で生かせるんじゃないのかなって。同じ気持ちで接すれば、全然、違うところのお仕事ではない気がして、なら両立するにはどうしたらいいかなっていうふうに考えていった」という。

 現在、生活ペースの配分は「おおまかには午前中が看護師、午後がシンガーソングライターって言ってるんですけど、だいたいは(午後)1時ぐらいまで病院にいて、それ以降はリハーサルとかライブとか曲作りとかスタジオとか」。現在、勤務する病院は「院長さんに私、最初から『こういうお仕事してるけどこっちも頑張りたい』ってお話ししてるので。サポートしてくれないってことは全くないです」と、理解してくれているという。

 25歳で、二刀流も3年目。「(仕事は)好きです。両方とも元気を届けなけきゃいけない職業だと思うんですけど、いただくことの方が多いなっていつも思います。ペースでいうと慣れてきたんですけど、年数がたつにつれ、やっぱりそれなりのスキルとか周りからもきっと求められるし、想像してた3年後と、できてるのかな?っていうところで葛藤はあったりしますけど」と、悩みもある。

 それでも、二刀流の苦労を聞くと、「それに言い訳したくなる時です。『曲をやりたいのに』とか『練習したいのに』とか思ったり、看護の方でも『この仕事を片付けていきたいけど』とか、言い訳したくなる時が、苦労というか、自分に対してなる時が、ダメだなって思います」ときっぱり。誇り高く、二刀流を貫いていく。

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