世界のキタノにブラボー!「アウトレイジ最終章」でベネチア国際映画祭締めた

 イタリアで開かれた世界三大映画祭の一つ、「第74回ベネチア国際映画祭」最終日の9日、クロージング作品として北野武監督(70)の「アウトレイジ 最終章」(日本公開10月7日)が上映され、観客から大きな喝采を浴びた。北野監督は上映後「お客がいないんじゃないかと思ったけど、切符もみんな売れたっていうし良かった」と笑顔で語った。この日は各賞の授賞式が行われたが、コンペティション部門に出品された福山雅治(48)主演の「三度目の殺人」は受賞を逃した。

 “世界のキタノ”の面目躍如だった。北野監督は同映画祭で、1997年に「HANA-BI」で最高賞の金獅子賞、2003年には「座頭市」で監督賞を受賞。上映後の会見で「自分の芸歴の中で映画祭の賞をもらったのはベネチアだし、特別な意味がある」として、大歓声を浴びて閉幕を飾れたことに満足そうな表情を見せた。

 この日が世界最速上映となった「アウトレイジ 最終章」は暴力団の抗争を描き、自らが主演してきたシリーズの3作目。北野監督は「クロージングにやくざ映画が向いているか」との不安もあったというが、「ベネチアはバイオレンスに寛容」と評価した。

 ただ「バイオレンスは潮時」として、約150の報道媒体が集まった上映に先立つ公式会見で「今度は優しい映画を撮ろうと準備に入っている」と語り、今月22日に発売される自著の恋愛小説「アナログ」の映画化を手掛けていると明らかにした。

 イタリアで北野監督の人気は高く、熱狂的なファンたちが会場に駆け付けた。北野監督も写真撮影やサインに応じ、交流を楽しんだ。

 また、「三度目-」が受賞を逃した授賞式では、最高賞の金獅子賞にメキシコ出身のギレルモ・デル・トロ監督の米国映画「シェイプ・オブ・ウオーター」が選ばれた。

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