加藤一二三九段 引退会見も冗舌劇場「元気よくこれからの人生を歩む」

 日本将棋連盟常務理事・清水市代女流六段(右)から花束を贈られる加藤一二三九段
 引退会見を終え、笑顔で手を振る加藤一二三・九段=東京・将棋会館
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 6月20日の対局で敗れ、現役を引退した将棋の加藤一二三九段(77)が6月30日、東京・将棋会館で引退会見を行った。歴代最長となる62年10カ月のプロ棋士人生を終えた心境を「大変スッキリした気持ち」と報告。最後まで独特の“ひふみん節”で盛り上げた。

 また、6月23日には宮城県の仙台白百合女子大学の客員教授に任命されたことも発表。孫ほど年の離れた女子大生たちに、自身の人生訓を伝えていく意欲を示した。

 「老いてますます盛ん」を地でいくような、加藤九段の独演会だった。通算対局数は歴代最多の2505局。タイトル獲得8期と、将棋界を代表する“超レジェンド”の引退会見ながら、湿っぽさはなし。バラエティー番組でおなじみの「ひふみん」の本領を発揮し“持ち時間”の20分を一気のトークで使い切ると、さらに5分以上も延長した。

 黒のスーツ姿に、腰の下まで下がったネクタイという、普段通りのスタイルで登場。現在の心境を「大変スッキリした気持ちです。これからも今まで通りやる気を失わないで、元気よくこれからの人生を歩んでいく」と、ハキハキと説明した。

 その上で「23日に(仙台)白百合女子大学から客員教授の任命を与えられまして、学長から任命書を受け取りました。大変感激しました」と突然の発表。「私が得てきた知識とか人生観を、折々に大学を訪れて、女子学生たちに語っていきたいと意欲を燃やしております。ウフフ」となくなった前歯をのぞかせた。

 同大学によると、数年前から加藤九段に客員教授を依頼する案が出ていたが、ここ数年の「ひふみん」として、全国的な人気が急上昇したことを受け、改めて依頼、快諾されたという。

 矢口洋生学長はデイリースポーツの取材に「加藤先生はクリスチャンであり、本学の建学精神にも合致される存在」と説明。女子大生の間でも、加藤九段の知名度は「非常に高い」とし、早ければ10月末から、不定期で年に2、3回程度の授業や公開講座を依頼する予定という。

 また、自身の最年少プロ記録を塗り替え、デビュー戦の相手も務めた、無敗の29連勝中の藤井聡太四段(14)への印象を聞かれ「おやつの時間に、藤井四段は私がチーズを食べ始めるのを待って(チョコレートを)食べ始めたことに非常に好感を持って、なかなか先輩に対する気遣いができてるなと思って感動しました」と評価。「私に対しても『引退するのは寂しい』という言葉を出してくれた。素晴らしい後継者を得たという感じです」と太鼓判を押した。

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