横山剣、映画で俳優初挑戦 音楽の原点と信念語る バンド結成20周年

 今年で活動20周年を迎えるクレイジーケンバンド(CKB)を率い、独特の感性で日本の音楽シーンを彩ってきた横山剣(56)。「東洋一のサウンドクリエイター」を自称する横山は、6月24日公開の映画「イイネ!イイネ!イイネ!」で俳優にも初挑戦。円熟味を増しさらに活動の幅を広げる横山が、自身の音楽の原点と信念を語った。      

 CKBとして迎えた節目の20周年。横山は「大体、飽きっぽい性格なので、こんなに続くというのは珍しい。自分主導だからうまくいったんじゃないでしょうか」と冗談めかしつつ、「メンバー間でもめたり、絶交とかもありましたけど、逆に腹にためないで、ぶつかるときはぶつかって、その都度、解決している」と20年続いた理由を明かす。

 11人のメンバーはそれぞれ、独自の音楽活動も行い、CKBとして集った時に、互いの活動をフィードバックしていくスタイル。唯一の決めごとは「『楽曲が一番偉い』ということ。人間のエゴよりも、楽曲がより幸せな形でアウトプットできるような形にこだわる」と、職人気質ものぞかせた。

 小学校2年生で「頭の中でメロディーが鳴り始めた」という横山。「感覚的に自己流でピアノ弾いて曲作って録音したりしてるうちに、筒美京平さんに憧れて」作曲家を志した。初めての曲は小学校高学年で完成。「曲をCMサイズで考えていて、自動車会社に持って行って『CMに使ってくれ』と頼んだこともありました。もちろん不採用でしたが」。

 早熟な少年だっただけに話の合う同級生は少なかった。「たまにマセガキがいて、クラスに1人ぐらいかな…」という中、仲間を集めて「不良クラブ」を結成。秘密基地を作って「大人の世界の話をしていた」。これこそが、後のCKBの原点。「今もイベントで『ラウンジ不良クラブ』というのをやってるんですが、いまだにそのころのまま、理想を追っている感じですよね」と語る。

 20年間、「すき間恐怖症で、どんどんいろんなもの詰めちゃうんで、悩む暇がなかったのが良かったのかな。順風満帆ではなかったですけど、やることは常にあった」と走り続けてきた。

 大きな転機となったのが、02年発売のシングル「タイガー&ドラゴン」が、05年にドラマの主題歌に起用されたこと。同曲で大ブレークしたが、「今思うと、もっと大胆に行けば良かったんじゃないかな。あの波に乗って、もっといろんなことできたのに、石橋をたたき割って、渡れなくなっちゃった」と後悔も口にした。

 音楽人生の礎となったのは、映画のタイトルにもなっているフレーズ「イイネ!」。

 「叔父の口癖がうつって、小学校の時からなんですけど、何かが解決しないときに、とりあえず『イイネ!』っていってうやむやにするというか」と苦笑。「本当にうやむやにするんじゃないけど、どこかで“諦める勇気”というのも必要なんです。本当に大事なものを諦めないために、その瞬間は諦める。初志貫徹するために、余計なものは置いていこう、っていうときに使うんです」。20年を支えた「相棒」のような言葉だ。

 今後は「より音楽に特化していきたい。すごい本格的なグループがいっぱい出てきて、このままじゃ置いて行かれちゃうから」と横山。その上で「いろんな見聞を広めることで音楽に変換されるので、宇多田ヒカルさんが『人間活動』とおっしゃってたけど、ああいう時間も必要なんだろうなと思います」と前を見据えていた。

 映画「イイネ!イイネ!イイネ!」で横山は初演技に挑戦、CKBのメンバーも全員、本人役で出演している。自身の演技については「見てらんないですね」と照れ笑い。当初は映画化のオファーに前向きではなかったというが、「いざ始まったら、途端に『ああしよう、こうしよう』ってアイディアが出てきて、脚本もだいぶ替えさせていただいて、かなり細かい指示を出させてもらいました」と振り返った。俳優・横山の演技にも注目だ。

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