伝説の斬られ役、福本清三 松方さんは「最後のスターだった」
“5万回斬られた男”の異名を取る伝説の斬られ役として知られる俳優の福本清三(73)が28日、MBSの情報番組「せやねん!」に出演し、脳リンパ腫のため、21日に死去した松方弘樹さん(享年74)と「もう1回一緒に立ち回りをやってみたかった。お兄ちゃんは最後のスターです」と話し、死を悼んだ。
2人は50年以上の付き合いで、2人は「お兄ちゃん」「フクボン」と呼び合う仲だったといい、東映京都撮影所で撮影された数多くの映画で共演していた。
数々の豪快伝説を残した松方さん。福本も、映画の撮影が終了すると、100人近いスタッフを全員引き連れて、松方さんのおごりで打ち上げパーティーを開いたり、誕生日には自宅に大勢の人を招待したことを明かし、「豪快さはビックリするほどありました。これがスターさんかいなと思った」と振り返った。
斬られ役だった福本が初めて主演した映画「太秦ライムライト」(2014年公開)では、松方さんも出演。松方さんが生前「5000回は斬った」と話す福本とは、同作が刀を交わした最後の作品になったという。
松方さんとの立ち回りについて、「もう痛快ですよね。速く動いてもパッと合わせてくれる。お兄ちゃんはそれがすごいんです。こちらが間を外しても、すぐに助けてくれる」と振り返った。撮影後にあいさつすると、松方さんから「どや?主役はしんどいやろ」と声を掛けてもらった思い出を語ると、「お兄ちゃんも、もう1回立ち回りたいと思ってくれてるんとちゃうかなあ」と名残惜しそうに話した。