大森靖子、第2弾アルバム「自信作」

独創的な音楽で多くのファンを魅了する大森靖子=エイベックス本社 
アルバムへ込めた思いを語る大森靖子
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 鋭く赤裸々な歌詞と劇的なパフォーマンスで注目を集めているシンガー・ソングライターの大森靖子(28)が3月23日、メジャー第2弾アルバム「TOKYO BLACK HOLE」をエイベックスからリリースした。昨年10月10日に第1子となる長男が誕生。妊娠、出産を挟んで制作された「今まで一番の自信作」について、大森が語った。

 大森は「子供がおなかに宿ったくらいの時にコンセプトを考えていて。明日どうなるかわからない状況じゃないですか。この国にホントに生んで大丈夫なのか、みたいなことを考えていた」という。

 「何が無くなっても生きていける人間の根底みたいなものを芸術が作れるって信じているから、その辺に働きかけるものを作りたい」との考えに行き着き、「見てきたものとか自分の世代の単語をいっぱい入れ込んで」できたのが本作だ。

 東京、有名になること、大人になることなど多様なテーマの楽曲から現代社会が浮かび上がる作りで「(リスナーに)自分の人生をかっこいいって思ってもらえるような作品になっていると思います」とアピールした。

 完全生産限定盤は約200ページに及ぶ書籍付き。出産までの約1カ月をつづった、音楽史上前代未聞の「日記文学」だ。今までも「できることは全部出す」とSNSや雑誌連載、自伝などで膨大に情報を発信。日記も「言っちゃいけないことがあんまりない」と、包み隠さず書いた。

 ジャケットは「GANTZ」などの人気漫画家・奥浩哉氏が、解説は直木賞作家・朝井リョウ氏が手がけた。サイズは辞典ほどある。「CDを買う機会がどんどん少なくなっているので、物を買った時の喜びが大きいようにできるだけ重い物にした」というサービス精神ゆえだ。

 CDだけではなく、ライブやイベント、ネットなど、大森はファンとの交流を非常に重視する。「表情とかにどんな1日だったのか、どんな人生だったのか、ちょっとだけ出るじゃないですか。そういうのを持ってきてくれるのがうれしくて、見逃さないようにしたい。その人の生活を知りたい」と説明。「どういう風にやっていったらどこまで届くか」-より広く遠くへと、大森は挑戦し続ける。

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