南こうせつ 島倉さんの最期を振り返る
シンガー・ソングライターの南こうせつ(65)が7日、東京・丸の内のKITTEで開幕した「島倉千代子・こころ展」(9日まで)のオープニングイベントに出席し、島倉さんとの“最後の時”を振り返った。8日で一周忌を迎える島倉さんの思い出の品々を見つめながら、亡くなる寸前まで歌手であり続けた島倉さんの生きざまにあらためて思いをはせていた。
島倉さんは、昨年11月8日に肝臓がんで死去。南は、島倉さんの遺作となった楽曲「からたちの小径」を提供し、亡くなる3日前に自宅で行われたレコーディングにも立ち会った。図らずも“歌手・島倉千代子”の最期の姿を見る形となったが、「天命というんでしょうか。ぼくもいろんな死を見てきましたが、こんなのは初めてですよ」としみじみ。歌手=人生だった、島倉さんの鮮烈な生きざまにあらためて敬意を示した。
レコーディング時に体調不良であることは伝えられていたが、ギリギリの状態だとは考えてもいなかったという。「亡くなった次の日の新聞で肝臓がんと知ったんです」と当時の驚きを振り返った。
「ずっと少女」
ただ、思い出は壮絶なものばかりではなかった。2年前にテレビの公開収録で一緒になった際には、舞台袖で緊張していた島倉さんから「手を握ってていいですか」とお願いされ、出番までずっと手を取っていたという。「あの方はずっと少女だったんですね」とかわいさも強調していた。
展示会は、島倉さんの一周忌をしのんで開催されたもの。NHK紅白歌合戦を辞退したときに関係者に宛てた手紙や、日本レコード大賞の盾、宣材写真、衣装など公私にわたるさまざまな遺品約250点が展示されている。