中村福助、来年3、4月に襲名披露公演

 七代目中村歌右衛門を来年襲名することが決まった歌舞伎俳優・中村福助(52)が4日、都内で会見し、昨年亡くなった義理の兄・中村勘三郎さんへの思いを明かした。

 13年ぶりの大名跡を復活に意気込む一方で、「歌右衛門、勘三郎の名前が並んでいるのをご覧に入れたかった」と唯一の心残りを告白。襲名披露公演は来年3、4月の東京・歌舞伎座からスタートする。また、長男の中村児太郎(こたろう=19)が同時に十代目福助を襲名することも発表した。

 大看板を背負っての義兄弟共演はかなわなかった。江戸時代から受け継がれる成駒屋(中村家の屋号)の大名跡「歌右衛門」。人間国宝、文化勲章受章者で「女形の至宝」と言われた六代目から名を受け継ぐ福助が唯一の心残りを告白した。

 「歌右衛門、勘三郎の名前が並んでいるのを(勘三郎さんに)ご覧に入れたかった。それは残念です」と悔しがった。2005年に勘三郎を襲名した義兄と、歌右衛門として共演することを夢見ていたが、かなわなかった。晴れの襲名発表の場ではあったが「お兄さんもきっと天国から見守ってくれていると思います」と一瞬だけさみしげな表情を見せた。

 果たせなかった夢を胸にしまい、今後は歌舞伎道にまい進することを誓った。2001年に亡くなった六代目はあこがれの歌舞伎俳優。初めてその舞台を見たときに衝撃を受け、以来、背中を追い続けてきた大きな存在だった。厳しい指導を受けたこともあったが、すべては芸のためと理解している。「わたしにとって心の師、芸の師です。歌右衛門という名前に恥ずかしくない役者になれるよう、精進します」と背筋を伸ばした。

 襲名披露公演は来年3、4月の東京・歌舞伎座を皮切りに、6月に福岡・博多座、7月に大阪・松竹座、11月に京都・南座を回り、名古屋でも開催予定。女形を代表する名跡だけに「京鹿子娘道成寺」「金閣寺」など女性の役に見せ場のある演目を上演する。

芝翫は橋之助が 11年に亡くなった父・中村芝翫(しかん)さんの名前も空位となっているが、これは弟の中村橋之助(48)が継ぐことを示唆した。明言こそ避けたが「弟がそう(継ぐことに)なるのかなと思います」と話した。また、会見に同席した児太郎も「自分なりの福助を作りたい」と意気込んだ。

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