勘三郎さん孫、サプライズ登場に喝采

 歌舞伎の殿堂・歌舞伎座が2日、東京・中央区に新開場し、歌舞伎俳優が総出演してのこけら落とし公演がスタートした。昨年12月に亡くなった中村勘三郎さんをしのんでの「お祭り」では、長男・中村勘九郎(31)とともにサプライズで孫の七緒八(なおや)くん(2)が登場。新たな世代の“さらに先”の世代の登場に、会場は祝福ムードに包まれた。

 勘九郎に手を引かれた小さな立役者に、客席から温かい拍手がわき起こった。七緒八くんは当初、舞台に立つ予定はなかったが、サプライズで登場した。勘九郎が「せがれの七緒八も連れて参りました」と紹介すると、客席からは「中村屋!」と威勢のいいかけ声も飛んだ。「十八世中村勘三郎に捧ぐ」と銘打って行われた演目「お祭り」で、最後は父・勘九郎をまねて見えを切り、豪華な出演者の中でもひときわ注目を集めた。

 「お祭り」は鳶頭(とびがしら)や芸者らが華やかな舞を見せる舞台で、勘三郎さんが生前に「新しい歌舞伎座でやりたい」と望んでいた演目だった。この日の舞台では芸者役の中村福助(52)が「歌舞伎座のこけら落としも見事にできましたねぇ」と第一声。続いて、鳶頭役の坂東三津五郎(57)が「にぎやかでりっぱな祭りになりました。さぞ十八代目も喜んでいるでしょう」と、せりふで勘三郎さんをしのんだ。

 この日はあいにくの雨となったが、早朝から当日発売の一幕見席のチケットを入手しようと100人以上のファンが列を作った。女優の江角マキコ(46)、元サッカー日本代表の中田英寿氏(36)、森喜朗元首相(75)ら著名人も駆けつけ、周辺はお祝いムード一色となった。

 開場を告げる「一番太鼓の儀」に続き、舞台では坂田藤十郎(81)、市川染五郎(40)らがお祝いの舞踊「鶴寿千歳(かくじゅせんざい)」を披露。午後には尾上菊五郎(70)が「弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)」で大がかりな舞台転換を見せた。人気の演目「勧進帳」では松本幸四郎(70)が豪快な演技。歌舞伎界が1つになって、オールスターキャストで新たな殿堂の門出を祝福した。

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