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勘九郎 勘三郎さんの死乗り越え完走

 歌舞伎俳優・中村勘九郎(31)が26日、京都・南座で舞台「吉例顔見世興行 六代目中村勘九郎襲名披露」の千秋楽を迎えた。公演中の今月5日に父・中村勘三郎さん(享年57)が急逝。だが勘九郎は、父の最期をみとった日も、11日の密葬の日も、弟・七之助(29)とともに東京‐京都を何度も往復しながら舞台に立ち続けた。千秋楽の口上では「父の魂をこの身に宿し、精進する覚悟でございます」と満員の客席に力強く誓った。

 亡き父から受け継いだ勘九郎の名と、中村屋の看板を背負って立つ決意を舞台で示し続けた。

 「父の遺志、父の魂をこの身に宿し、弟・七之助や中村屋一門と、精進する覚悟でございます」‐。千秋楽の口上では場内はすすり泣きが漏れた。だが、勘九郎は努めて明るく、父譲りの愛きょうある笑顔を交え、気丈に振る舞った。

 誰よりも舞台を愛した父への思いから、勘九郎と七之助は、父が死去した5日も、早朝に東京を発(た)ち、京都に戻ってきた。舞台では「前に進むしか(ない)。そうしないと(父に)怒られる」と“涙の口上”。以降も休むことなく舞台に立ち続けた。

 この日も「今も信じがたく、受け入れ、受け止めてその一歩を進めることが、なかなか数日できませんでした」と振り返った勘九郎は、千秋楽慣例で芸妓が並ぶ客席を見回し、「きょうは父が好きだった京都の街の方もいらしゃってます」と、賑(にぎ)やか好きだった父を偲んだ。

 勘三郎さんが食道がん手術を受けた直後の今年8月、「神出鬼没な人ですから」と回復した父が師走の京都を訪れる望みを語っていた勘九郎。満員御礼の客席に父の姿はなかったが、「父は『大丈夫か、(お客さまは)入っているか』といつも心配していましたが、自信をもって入っていると言えます」と胸を張った。終演後には本紙の「お父様に報告ができますね」の問いに「ありがとうございます」と無事に舞台を務め終えた安どの表情も見せた。きょう27日には東京・築地本願寺で勘三郎さんの本葬が営まれる。勘九郎は弟・七之助とともに喪主を務め、舞台の成功を天国の父にたむける。

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