森光子さん本葬 最後のカーテンコール

 11月10日に92歳で亡くなった女優・森光子さんの本葬が7日、東京・港区の青山葬儀所で営まれた。昭和の大女優最後のカーテンコールらしく、遺影は満面の笑み。会場に訪れた約1000人の芸能関係者、1300人の一般参列者は森さんの笑顔を見つめながら、思いを込めて献花した。祭壇は、いつも周囲の人を大切にしていた森さんらしく「感謝」と「愛」をイメージしたもので、参列者は温かい気持ちに包まれていた。

 舞台の最後にいつも笑顔で観客にあいさつをしていた森さんらしく、遺影も満面の笑みが輝いていた。

 遺影は、2006年1月30日に放送されたテレビ朝日系「徹子の部屋」収録時のスナップ写真。親友でもあった、パーソナリティーの黒柳徹子(79)に屈託のない笑顔を向けた瞬間のものだ。人が大好きだった森さんが、まるで参列者を笑顔で出迎えているかのようだった。

 本葬では、17分にわたって森さんの人生をたどった映像が流された。太平洋戦争の慰問を行ったときの様子や森繁久彌さんとの共演シーン、「タケヤみそ」のCM、「3時のあなた」出演時の映像、そして2017回の上演という不滅の記録を打ち立てた「放浪記」をはじめとする舞台の数々‐。参列者はときに笑顔で、ときに涙で森さんの長い人生に思いをはせていた。

 参列者に配られた封筒には、「感謝と愛を捧(ささ)げます」という言葉が記された。森さんが舞台の上から客席に向けて、いつも心掛けていたことだ。封筒の中には「花の命はみじかくて、苦しきことのみ多かりき」という「放浪記」の一節が書かれたメッセージカードがおさめられた。

 祭壇にも、「感謝」と「愛」が込められていた。飾られた花は、「感謝」が花言葉のダリアやフリージア、「愛」が花言葉の赤いバラ、コチョウランなど。遺影を中心に両端から包み込むように配置されたデザインは、周囲に人が集まる求心力をイメージしたものだった。そんな森さんを慕い、実に2300人が参列した。笑顔の森さんに花を捧げる列は、いつまでも途切れることはなかった。

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