ひばりさん幻の音源、米で62年ぶり発見

 昭和の国民的歌手、故・美空ひばりさん(享年52)が、1950年、13歳の時行った米国公演を記録した音源が、62年ぶりに見つかったことが5日、わかった。米シカゴ大学のマイケル・ボーダッシュ教授(50)が発見した。ひばりさんが大スターの地位を確立する前に行った初海外ツアーの“幻の音源”。関係者も驚く大発見は、ファンにとって貴重なばかりでなく、戦後の日米関係や芸能史を知る上でも貴重な資料だ。                    

 62年ぶりに見つかったのはひばりさんが13歳の時、1950年6月24、25日に米国・カルフォルニア州サクラメントで行った公演の音源。90分に及ぶが、音は極めて鮮明で、ひばりさんが、大人びた声で、笠置シヅ子さんの「ヘイヘイブギ」や英語曲「ボタンとリボン」を歌う様子が収められている。

 ひばりさんは12歳だった50年5月に母と、師匠で歌手の川田晴久さんと3人で渡米。約2カ月もの間、ハワイ州や米西海岸各地を巡る初海外公演ツアーを行っていた。5月29日に13歳の誕生日を迎え、6月のサクラメント公演では13歳。渡航の記録は残っていたが、これまで音源は見つかっていなかった。

 シカゴ大のボーダッシュ教授が、日本のポピュラー音楽を研究した著書「さよならアメリカ、さよならニッポン」を執筆する際、カナダ在住の録音機コレクターが持っていた古い針金録音機の中に、複数の日本人歌手の音源を見つけた。その中にひばりさんのものがあり、サクラメント公演のものと判明したという。

 今年3月、ひばりプロダクションにこの事実が伝えられ、3分ほどの音源が届いた。その後、同教授から「貴重な音源なので、ぜひ大切に保管してほしい」と90分のフル音源が、譲渡された。

 ひばりさんの音源の多くを所持する日本コロムビアの関係者も「まさか海外に13歳の音源が残っていたとは…」とびっくり。「当時海外で、どんな形式で公演を行い、歌っていたのか。貴重な資料になる」と感慨深げ。ファンにとってもひばりさんの新しい一面を知る大事な歌声になりそうだ。音源は26日放送のTBS系「スパモク!!」(木曜、後7・00)で初公開される。

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