桑木志帆 貫き通す「自分らしさ」 深いタメ&低い手元のスイング「やっぱり強いと思われる選手に」 おしゃれも「パフォーマンス」
JLPGAツアーを予選から決勝まで独占配信しているU-NEXTと、デイリースポーツが注目選手を取り上げる連載「推し活応援宣言」。今回は、2024年にツアー3勝を挙げてブレークした桑木志帆(23)=大和ハウス工業=を取り上げる。安定したショットと高い総合力が光る実力者が、ファッションやメイクも含めて貫き通す「自分らしさ」をストレートに語った。
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12日、富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日。桑木志帆は最終18番パー4で、2・5メートルのパーパットを流し込んだ。これで前日24位だった順位は10位にまでジャンプアップ。大ぶりのサングラスを外して笑顔をはじけさせると、小田亨キャディーとかなり強めの握手を交わした。
今季はまだ未勝利だが、実力は誰もが認める。2024年には国内メジャーのツアー選手権リコーカップなど、4日間大会だけで3勝を挙げた。2025年はショット全般の力を示す「ボールストライキング」で全体1位、パーオンホールの平均パット数で同11位と、総合力の高さをデータでも示した。
それだけにかえって、優勝から遠ざかっていることにもどかしさも感じている。「他の選手も勝つために頑張っているし、運もある。でもやっぱり、気持ちの部分は課題」。力みが出ることもあれば、気持ちが守りに入ってしまうこともある。「最終的にはバランスだと思うので、すごく難しい」と模索を続ける。
マインドセットの答えを必死に探しながらも、他の部分を磨くことは忘れない。コーチらと話し合い、コースマネジメント(ホール攻略のための戦略)を突き詰めて考える。ツアー史上でも屈指の難易度だった台湾ホンハイレディースでも6位に入るなど、戦略性が問われる大会での成果が出始めている。
身体のキレを出すために、15キロもの減量にも成功。セルヒオ・ガルシア(スペイン)を思わせるような深いタメ、低い手元のスイングも日に日に磨かれ、ショットの精度はより高まっている。「やっぱり強い、と思われる選手になりたい。優勝はもちろんなんですが、大事なのは常に上位にいること。精度、再現性を高めたい」と高みを見据える。
実力だけでなく、華やかさも兼ね備えている。富士フイルム・スタジオアリス女子オープン最終日は、好天に鮮やかな赤いウエアをまとった長身が映えた。契約するラウドマウスと人気キャラ、ベティちゃんのコラボウエアには、ファンや選手たちから「かわいい」と称賛の声が集まった。
「おしゃれをするのが好き。周囲の反応以前に、好きだから楽しい。もちろん、パフォーマンスの一環として話題にしてもらって、プロとしての務めを果たせたらというのもありますけど」
生き方も含めてモデルにしているのは女性ラッパーのLANA。意気込む日、悔しい日と、事あるごとに「直線」という曲を聞く。特に「批判の声は称賛への切符」という歌詞に励まされることは多い。
私も彼女のように自分を貫き通したい。金髪やファッション、メイクを参考にするのは、単純なおしゃれだけでなく、生き方を重ね合わせたいという強い思いもあってのことだ。
「目元もまつエクにしたり、自まつ毛にしたりと何周もしていますけど、どんな反応があってもいつも『自分がしたいからする』というところは貫いていきたい。結果として、私を知ってくれる方も増えたので、それもいいなと」
ゴルフの総合力は折り紙付き。いずれは優勝という結果もついてくるだろう。だがプロとして、それだけでは満足しない。レーダーチャートに「ファッション」「メイク」「話題性」の項目も付け加えて、どでかい多角形のグラフをつくってみせる。桑木は桑木だけのやり方で、新しい時代の女性アスリートのロールモデルになる。
【桑木志帆(くわき・しほ)】
◆ヒロインの背中を追って 2003年1月29日、岡山県岡山市生まれ。4歳でゴルフを始める。中学3年、高校1年時に「中国女子アマチュアゴルフ選手権」を連覇。同じく大会を連覇した同郷の先輩、渋野日向子の背中も追い、2021年にプロテスト一発合格。12月のJLPGA新人戦加賀電子カップでも優勝した。
◆念願の優勝でブレーク 2023年はトップ10が10回、うち2位が3回と躍進。一方であと一歩で優勝に手が届かなかったが、2024年6月の資生堂レディスで念願の初優勝。シーズン3勝を挙げ、翌2025年には全米女子オープン、全米女子プロ、全英女子オープンの海外メジャー3大会にも出場した。
