石川遼の高1初Vを喜んでいたジャンボ尾崎さん 無言のバットスイング「野球で培った体躯は圧倒的だった」

 男子ゴルフで国内ツアー94勝(通算112勝)を挙げた尾崎将司さんが23日、S状結腸がんのため死去した。78歳だった。親族が24日、発表した。「ジャンボ」の愛称で親しまれた人となりをデイリースポーツ担当記者がしのんだ。

  ◇  ◇

 1996年11月17日のダンロップ・フェニックス。通算100勝が決まった18番ホールの光景は、いまだに覚えている。ギャラリーがダッシュでコースになだれこみ、スタッフが必死に制御。木に登っている人さえいた。グリーンはまさにステージ。ここはライブ会場?特に男性ファンの興奮はすさまじかった。今風に言えばちょっとドン引きするぐらいの熱気だった。

 40代の10年だけで50勝以上という驚きの成績。とにかく強かった。その一番の理由はゴルファーの中では飛び抜けて大きい体だったと思う。今のゴルファーは小さい頃からゴルフ一筋の選手が多いが、プロにまで行った野球で培った体躯は圧倒的だった。「早く俺を倒せ」と若手にゲキを飛ばしていたのを何度も聞いた。そう簡単には倒されない。自信の表れだった。

 石川遼が高1で初優勝したときに、その可能性を聞いたことがあった。石川は中学時代は陸上部だったことを知っており「他のスポーツをやっていたのはデカいよ」と喜んでいたのを覚えている。自身も野球で鍛えたからこそ今がある。それはジャンボさんの自負だった。

 2001年のこと。野球といえば、マスターズリーグでジャンボさんが最も尊敬する池永正明さんが復帰、ジャンボさんもそろって球界復帰するという情報があり、1人で自宅に直撃したところ、無言でバットスイングをしてくれた。無我夢中でシャッターを押した。ジャンボさんなりのサービスにグッときた。

 バーディーを取ったときのコブラポーズ、ビール片手の優勝会見も楽しかった…。自分でも意外なほどの喪失感に包まれている。(デイリースポーツ・島倉優子)

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