「男子ゴルフ・日本シリーズＪＴカップ・第２日」（５日、東京よみうりＣＣ＝パー７０）

　１０位から出た賞金ランキング３位の蟬川泰果（２４）＝アース製薬＝が１イーグル、２バーディー、３ボギーの６９で回り、６位に浮上。逆転賞金王へ望みをつないだ。２位から出た小木曽喬が６８で回り、通算７アンダーで単独首位に立った。賞金ランキング２位の金谷拓実は６位。賞金トップの金子駆大は６７をマークし、通算１アンダーで２３位から１１位に浮上した。

　スコアを一つ落として迎えたパー５の１７番だった。蟬川は残り１８３ヤードの第２打を７番アイアンで豪快に振り抜き、ピン上６メートルに運んだ。スライスラインも沈める会心のイーグルで連日の６９。トップとの差をわずかに縮め、残り２日での逆転に望みをつないだ。

　「最後に我慢していたご褒美が来た。結果的にアンダーパーで回れて良かった」と安堵（あんど）の表情だった。賞金１位の金子と３２００万円余りの差があり、賞金王には優勝するしかない状況が重圧を与えるのか。「この２日間、アイアンショットが右左に乱れる。練習場では真っすぐいくのに」

　グリーンを外した４番で３メートルのパーパットをねじ込むなど耐える展開が続く中で少ない好機を生かした。

　第１ラウンド後に「奇跡が起きてほしい」と吐露した記事を見たツアー通算２０勝の谷口徹から「奇跡は起きるものじゃない、起こすものだ」と連絡が来たという。今季限りで第一線を退いた大ベテランの言葉に目が覚めた蟬川は「起こします、と返した。本当に逆転できるように頑張りたい」と猛チャージを期した。