蝉川泰果 プレーオフ制し初V ジャンボ超えた!国内メジャー最年少3冠「来年は日本プロ選手権を」

 「男子ゴルフ・BMWツアー選手権森ビル杯・最終日」(8日、宍戸ヒルズCC=パー70)

 蟬川泰果(24)=アース製薬=が史上最年少で日本タイトル3冠を達成した。1打差の3位からスタートした最終ラウンドは、1イーグル、4バーディー、1ボギーの66。通算10アンダーで並んだ堀川未来夢(32)=ウエーブエナジー=とのプレーオフ(PO)1ホール目でバーディーを奪い、勝負を決めた。24歳148日目での日本タイトル3冠は、尾崎将司の27歳248日を大きく更新した。1年6カ月ぶりのツアー通算5勝目。

 ツアー4季目の蟬川が、ジャンボ尾崎を超えた。日本オープン(2022年)、日本シリーズJT杯(23年)に続く3冠達成。日本タイトルを3種制覇した日本人は過去に13人しかおらず、早くも「来年は、日本プロ選手権を取りたい」と色気を見せた。

 最終18番で6メートルのバーディーパットを沈めてPOの権利をつかみ、大きくこぶしを握った。そして、再び18番を使った堀川とのPOでは、バンカーから残り178ヤードをピン奥2メートルにつけるスーパーショットで勝ちを引き寄せた。

 「絶望でした」。米ツアー入りを目指し、年明けは米下部ツアーを転戦した。だが、スイングの際、胸を刺すような痛みに襲われ、やむなく日本に戻った。1カ月後に、肋骨(ろっこつ)3本の疲労骨折と判明したが、それまではゴルフをできなくなる不安でいっぱいだった。

 支えになったのは、昨年11月に結婚した3つ年上でタレントの久保葵夫人の存在だ。どうすればけがを防げるかを一緒に研究した。「絶対妻に、優勝を届けたい」。感謝するからこそ、強い思いを胸に臨み、勝利した。

 今大会に勝ったことで、5年シードとともに、欧州ツアーのBMWインターナショナルオープン(7月、ドイツ)と、米ツアーのベイカレント・クラシック(10月、横浜)の出場権を得た。「まずは、ドイツの試合。絶対行きたい」。一度は海外をあきらめた男は、実力で再挑戦の扉をこじ開けた。

 ◇蟬川 泰果(せみかわ・たいが)2001年1月11日、兵庫県加東市出身。名前はタイガー・ウッズに由来。大阪・興国高から東北福祉大へ進学。22年の世界アマチュアチーム選手権で個人2位に入り、9月のパナソニックオープンで史上6人目のアマ優勝。10月に日本オープンを制し、ツアー史上初のアマ2勝を挙げてプロ転向。23年にツアー2勝。24年は5月に米ツアーで初トップ10となる9位。

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