20歳・神谷そら 苦しんだ末の初優勝 一昨年プロテスト失敗「支えてくれた両親に感謝」

 18番、ウイニングパットを沈めギャラリーの拍手に笑顔で応える神谷そら(撮影・開出牧)
 優勝インタビューで涙をぬぐう神谷そら
 優勝杯を高々と掲げ会心の笑みを浮かべる神谷そら
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 「女子ゴルフ・フジサンケイレディース・最終日」(23日、川奈ホテルGC富士C=パー71)

 単独首位から出た20歳のルーキー、神谷そら(フリー)が1イーグル、2バーディー、6ボギーの73で回り、通算4アンダーでうれしいプロ初優勝を飾った。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)入会後、8試合目での初Vは日本選手では5番目。途中でトップが入れ替わる混戦の中、1打差の2位は岩井千怜、荒川怜郁、安田祐香だった。

 最終18番で80センチのウイニングパットを沈めた神谷は、はにかんだように笑った。「手がしびれて、ああ緊張しているんだなと思った。しびれを止める方法を知らないので、リズムよく打つことだけを心がけた」。重圧を乗り越えて初の頂点をつかみ取った。

 単独首位からスタートも自慢のショットが乱れ、第1打でフェアウエーをとらえたのはわずか5ホール。11、12番の連続ボギーで一時は首位を譲ったが、難関ホールの17番で第1打をピン左奥3メートルにつけ、見事バーディーパットを沈めて息を吹き返した。

 「17番のパットは思ったところに打てたけど、少し強かったので、入らなかったらかなりオーバーしていた。入ってくれてよかった」

 苦しんだ末の初優勝だった。一昨年プロテストに失敗した際には、ショックでその後1週間以上もクラブを握らなかったが、根っからのゴルフの虫が再起の原動力となった。「練習をしないと学校から帰っても何か物足りない。気がついた時には練習場にいた。支えてくれた両親に感謝です」としみじみと話した。

 アマチュア時代には苦い経験も味わった。試合中に誤球を犯したことで失格処分を受けた。「それからは自分と他の人のを間違えないように、ボールにその日ごとにマークを入れている」。失敗から学び、この日の優勝を引き寄せた。

 持ち味は167センチの長身を生かした飛距離。今季の平均は255ヤードだが、振れば270ヤードも楽に超えていく。ジュニア時代に同じスクールの大人を相手に飛距離合戦を繰り返したことが土台になっているそうで「他の選手より前から(第2打を)打てるのはアドバンテージ」。勝負を決めた17番(ピンまで178ヤード)の番手は7番アイアン。飛距離で川奈をねじ伏せた。

 同期には昨年の日本女子プロ選手権を制した川崎春花、ツアー1勝の尾関彩美悠がおり、強い刺激を受けている。「去年は(活躍する)同級生を心の底から応援できない自分がいたけど、ようやく同じ舞台に立てた。次は2勝目が目標」。女子ゴルフ期待の新人がいよいよスター街道を歩み出す。

 ◆最短優勝 JLPGA入会後の試合数ではアン・ソンジュ(韓国)の1試合目が最短。神谷の8試合目は笹生優花の2試合目、宮里藍と佐伯三貴の4試合目、畑岡奈紗の5試合目に次ぐ日本選手では5位の記録となった。

 ◆神谷そら(かみや・そら)2003年4月18日、岐阜県土岐市出身。6歳のとき、母・あゆさんとともにゴルフを始めた。麗沢瑞浪高卒。昨年12月のプロテストに2度目の挑戦でトップ合格。同年QT7位で今季前半戦の出場権を得た。ドライバー平均飛距離255ヤード。ゴルフ以外のスポーツ歴は水泳。趣味は音楽鑑賞。好きな色は水色。3姉妹の長女で2人の妹もプロを目指している。167センチ、60キロ。

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