堀琴音がツアー初V「一生忘れない」姉・奈津佳の前でうれし涙 史上2組目の姉妹優勝
「女子ゴルフ・ニッポンハム・レディース・最終日」(11日、桂GC=パー72)
2位から出たプロ8年目の堀琴音(25)=ダイセル=が、通算14アンダーで並んだ若林舞衣子とのプレーオフを3ホール目で制し、涙のツアー初優勝を飾った。3学年上の姉・奈津佳も2勝しており、福嶋晃子、浩子に続くツアー史上2組目の姉妹優勝となった。黄金世代の植竹希望、高橋彩華が通算9アンダーで3位。東京五輪代表の稲見萌寧は22位だった。
悲願の初勝利は最後まで攻めの姿勢を貫いて手に入れた。18番パー4でのプレーオフ3ホール目。3メートルのバーディーパットこそ外したが、ボギーの若林に対してパーで決着。両手を突き上げて喜びを表現した琴音は次の瞬間には涙があふれ出ていた。「本当に長かった。調子が悪い時には優勝できると思っていなかったので…こんなにうれしいんだと思いました。一生忘れない」と声を詰まらせながら感激を言葉にした。
4年ぶりの最終日最終組は2打差2位でスタート。1、3番のバーディーで早々と若林を捉えた。その後は一進一退のマッチレースだった。「最後まで絶対に諦めない。気持ちだけは負けない。それだけ考えてやっていました」。後半14、15番の連続バーディーで再び並ぶと、そのままの勢いでプレーオフの激戦を勝ち切った。
高1だった11年、姉・奈津佳のプロデビュー戦で応援に訪れた会場が桂GCだった。「10年後に同じ桂GCで優勝できて、幸せいっぱいです」と感慨を口にした。今大会は予選落ちで都内に戻っていた奈津佳だったが、最終日だけ急きょ駆け付けてくれていた。
13年アクサ・レディースでの姉の初勝利を琴音は見届けた。「姉ができるなら、私もできると思った瞬間」だった。姉妹は苦しい時期でも互いに何でも相談し合える存在だ。「『初優勝は見たい』とずっと言ってくれていた。姉の前で優勝を見せられたのは本当にうれしい」と素直に喜んだ。
史上2組目の姉妹優勝を達成した。「正直ずっともどかしかったけど、これで姉妹優勝と言える。私も早く姉のように2勝目を挙げたい」と目標を掲げた。「最終日最終組で姉と回りたい。いつかは姉妹で優勝争いをしたい」。苦労の末に大きな壁を突破した琴音が、次なる夢に目を輝かせた。




