前代未聞ドタバタ開幕へ 関係者コロナ陽性で練習ラウンド中止…渋野も「ビックリ」

 女子ゴルフの国内ツアー、ダイキン・オーキッド・レディース(4~7日、沖縄・琉球GC)の開幕を翌日に控えた3日、前代未聞のコロナ騒動が巻き起こった。大会関係者の陽性が判明し、練習ラウンドや公式会見が中止。濃厚接触者はおらず、予定通りの有観客開催が決まり、大会初出場となる渋野日向子(22)=サントリー=も「安心しました」と気持ちを切り替え、2021年初戦に挑む。

 早朝から衝撃が走った。午前5時、練習ラウンド中止とゴルフ場への終日立ち入り禁止がメールで選手に知らされた。予定されていた公式会見もなくなった渋野は主催者を通じてコメントを発表し、「今日のことは朝起きてビックリしましたけど、予定通り試合が開催されることになったので良かったです」と心境を明かした。

 騒動の始まりは前夜だった。2日午後7時ごろ、大会関係者の一人が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性と判明。しかも、2月27日に受検した該当者はガイドラインに従わず、陰性が証明される前に2度も大会会場で屋外仮設物の施工業務を行っていた。

 セクションによって、個人情報の管理と集約方法に不備があったことが要因の一つ。大会実行委員長らとともにリモート会見に出席した日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長は「一部で徹底できなかったことで、皆さんに迷惑をかけてしまいました」と謝罪した。

 該当者の行動記録を調査した結果、選手および大会関係者に濃厚接触者はいないと保健所が判定。これを受けて協議の結果、予定通り一日上限1000人のギャラリーを入れての大会実施を確認した。無観客や中止という最悪の事態はギリギリのところで回避できたが、開幕前日にもかかわらず練習ラウンドの機会を失った選手たちは各自で練習場を探し、最終調整に励んだ。

 渋野にとっては優勝争いの末、4位だった昨年12月の全米女子オープン以来の実戦だ。調子については「試合をしてみないと分かりませんが、できる限りのことはやってきました」という。「ギャラリーの方々の前でプレーするのは本当に久しぶりなので楽しみな半面、少し緊張しますが、全力で戦っている姿を見てもらえるとうれしい」と続けた。

 日米両ツアーをにらんだ忙しい一年の始まりを前に「今の自分ができること、やるべきこと、目の前のことをしっかりとできるように地道に頑張ります」と渋野。選手にとっても、ファンにとっても待望の有観客での21年初戦は、前代未聞のドタバタ劇を乗り越え、いよいよ開幕を迎える。

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