【綾子の視線】田中さんと笹生さん、時代変えていく選手出てきた

 「女子ゴルフ・アース・モンダミンカップ・第2日」(26日、カメリアヒルズCC=パー72)

 “スマイルシンデレラ”に初の試練-。59位から出た渋野日向子(21)=サントリー=は3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの2オーバー74をたたき、通算2オーバーで1打届かず予選落ちした。渋野と同じ1998年度生まれの黄金世代、田中瑞希(21)=フリー=が67と伸ばし通算9アンダーで単独首位。3打差2位に鈴木愛、渡辺彩香、李知姫(韓国)が並んだ。プロデビュー戦で2000年度生まれのミレニアム世代、安田祐香(19)=NEC=は通算1オーバー56位でギリギリ予選通過を果たした。コロナ禍を受け、史上初めて全ラウンドを無観客で実施する今大会をデイリースポーツ評論家・岡本綾子氏(69)が振り返った。

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 初日は大雨、2日目は強風。暑さや湿気もある。約4カ月遅れの開幕戦で悪条件が全部そろっていて、選手は大変だったでしょう。そんな厳しい条件だからこそベテラン勢が頑張るかと思いきや、若い選手の方が上位で張り切っている。今年の開幕戦は少し趣が違います。

 21歳の田中さんと19歳の笹生さん、2人のプレーを初めて観て、時代を変えていく選手が出てきたな、という印象を受けました。田中さんはきっちりヘッドを上から落とせているし、笹生さんはリーチが長くて腰高でパワーがある。何より2人ともスイング全体のバランスがしっかりしていて、このスイングなら将来的にいろんな種類の回転ボールを打てるようになります。第1印象と、これからどうなっていくかは別物ですが、第1印象はとても良かった。

 その一方で、渋野さんは去年より悪くなった印象です。本人はスタンスを狭くしたと言っているのに、構えた時の前傾姿勢は去年より深くなっています。スタンスを狭くして、よりハンドダウンになるというのは不思議。このあたりの意識のズレが球筋が安定しない原因かもしれない。

 また、トップオブスイングの時にシャフトが背中に回っていて、これではスライスボールを打ちにくい。去年の方がショットのレパートリーは多くなるアドレス、スイングでした。これはクラブのシャフトを堅くした影響もあると思います。老婆心ながら言わせてもらうと、早いうちにアドレスの形だけでも高く構えるようにした方がいい。体への負担も少なくなります。

 ベテラン勢で目に付いたのは渡辺さん。スイングを観て思わず「あっ、良くなった」とうなってしまいました。インパクト後の右肩の突っ込みがなくなり、インパクトの軸位置で回転できています。このスイングなら持ち前の飛距離を生かせるし、今年は活躍が期待できるんじゃないかな。

 産休明けの若林さんは2アンダー25位で予選を通過しました。今年に入ってスイングを変えていて、私は連続写真や動画を見ながら指導してきたのですが、スイングのリズム、テンポが自分のものになりつつあります。JLPGAは産休制度をもっと充実させていくべきですし、後進のためにも、若林さんには頑張ってほしいと思います。

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