21歳稲見萌寧が今季初V!賞金ランク10位浮上 親友・高橋彩華の祝福に涙も

 トロフィーを手にVサインの稲見萌寧
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 「女子ゴルフ・スタンレー・レディース・最終日」(11日、東名CC=パー72)

 プロ3年目の稲見萌寧(21)=都築電気=と浅井咲希、ペ・ソンウが通算5アンダーで並び、18番パー5を使ったプレーオフに突入。1ホール目でバーディーを奪った稲見が今季初優勝、通算2勝目を挙げた。第2ラウンドが台風の影響で中止となって大会は36ホールに短縮され、加算される優勝賞金は75%の1350万円。

 プレーオフの1ホール目、稲見は4メートルのウイニングパットを沈め、右の拳を2度強く振り下ろした。スタート時にあった首位との1打差を追いつき、初めてのプレーオフを制して通算2勝目。駆け寄ってきた親友の高橋彩華から祝福を受けると、たまらず涙腺が決壊した。

 「最初はうれしいだけだったんですけど、いつも一緒に練習している彩華ちゃんが来てくれて、うれしくて泣いてしまいました」

 憧れのタイガー・ウッズを意識した赤と黒のウエアで臨んだ最終日。バックナインでウッズばりの猛チャージをかけた。15番で5メートルのバーディーパットを沈め「そこから流れがよくなった」と手ごたえをつかみ、17番で8メートルを沈めて首位と1打差に肉薄。最終18番は「3打目を入れる」と強い決意で臨み、第3打を70センチにつけてバーディーを奪い、プレーオフに持ち込んだ。

 「プレーオフは初めてだったけど、自分がどれだけ強い気持ちでいられるか試されるので、楽しかったし、自分は究極に追い込まれたら強いという自信がある」

 今季は8月の全英女子オープンに初出場を果たしたが、通算14オーバー123位であえなく予選落ち。以後、国内ツアー3試合を休んだ焦りもあってか、気持ちが空回りする状態に陥ったという。「それで悔しい思いで練習をした。それが今回実になったと思う」。元々1日10時間もボールを打ち続ける“練習の虫”。スランプを猛練習で抜け出し、この日の勝利につなげた。

 競技が36ホールに短縮されたため、賞金額の75%に当たる1350万円を加算し、賞金ランクは10位に躍進。ようやく1学年上の黄金世代、1学年下のミレニアム世代の背中が見えてきた。「今年も1勝できたけど、そこにとどまらないで、これからも毎週頑張って上位を目指したい」。覚醒した稲見にとって、2勝目は単なる通過点にすぎない。

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