「女子ゴルフ・ゴルフ５レディス・第１日」（４日、ゴルフ５カントリーみずなみＣ＝パー７２）

　身長１５０センチと今大会の出場選手で最も背の低いルーキー・山下美夢有（みゆう、１９）＝フリー＝が３連続を含む６バーディー、１ボギーの６７をマークし、首位と２打差の３位と好発進した。６月のデビュー戦から前週までは３大会連続予選落ちながら「食トレ」などで体重増に成功し、飛距離アップにつなげた成果を見せた。ツアー史上初となる「初Ｖからの３戦連続優勝」が懸かる笹生優花（１９）＝ＩＣＴＳＩ＝は７１で３９位と出遅れた。

　出場選手で一番ちっちゃい山下がスタートの１０番から連続バーディー。アウトコースにターンしても５番から１メートル、２・５メートル、３メートルとピンを攻めて３連続バーディーを奪い、５アンダー６７で上がった。

　「私も追いつけるようになりたいと思ったし、刺激になりました」というのは、ともに昨年１１月のプロテストに一発合格し、史上初めて高校生で女子プロゴルファーになった同期の笹生と西郷の活躍について。３人そろって６月のアース・モンダミン・カップでデビューしたが、山下だけが予選落ち。ここまで出場３試合すべてで予選落ちを喫した。

　しかし、腐らずに続けてきた努力がようやくスコアに結びついた。「もともと飛ぶ方じゃなかったし、小技を持ち味にしてきた。でもアースに出て、飛距離って大事だなと思って…」

　シーズンオフから取り組んできたパワーアップに拍車がかかった。「吐くまで食べよう」と丼飯をかき込み、プロテインも飲んだ。トレーニングも、新型コロナウイルスによる自粛期間をはさんだこともあり「ポリタンクに水を入れてバーベル代わりに持ち上げたり、ロープを使ったりしたメニューを自宅で。思いきり振る素振りを１日２００回以上」と妥協しなかった。

　効果はてきめん。「体重は５２キロから５７キロ弱にアップ。１カ月半前よりドライバーは２０ヤード飛んでるし、球質も重くなりました。ウエアがピチピチです。でも、もう少し体を大きくしたい」と、さらに上を目指している。

　プロテストに合格した日、「明日は学校で授業を受けます。一番欲しいものは…身長です（笑）」とあどけなく話した山下が、ようやく手にするであろう“初任給”はいくらになるのか？