上田桃子メジャー自己最高6位、ノーボギー締め 豪雨被災故郷のため熊本魂届けた!

 最終ラウンド、3番でティーショットを放つ上田桃子。通算1オーバーでメジャー自己最高の6位に入った(R&A提供・ゲッティ=共同)
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 「女子ゴルフ・AIG全英女子オープン・最終日」(23日、ロイヤルトルーンGC=パー71)

 豪雨被害に遭った故郷の熊本へ思いを届けるプレーだった。19位で出た上田桃子(34)=フリー=が4バーディー、ボギーなしの67と伸ばし、通算1オーバーで、今大会日本勢トップ、メジャー自己最高の6位に入った。世界ランキング304位のソフィア・ポポフ(27)=ドイツ=が通算7アンダーで米ツアー初優勝をメジャーで飾った。賞金は67万5千ドル(約7150万円)。メジャー第2戦は米カリフォルニア州で9月10日に開幕するANAインスピレーション。

 まだまだ若手に負けてはいられない-。ベテランの矜持(きょうじ)を感じさせる渾身(こんしん)のプレーで、上田が連日のアンダーパーをマーク。「(プレー内容は)正直、何も覚えていない」と話すほど一打、一打に集中し、リンクス制圧を果たしてみせた。

 3日目までとは打って変わり、風がなくなった最終日。「風がない分、自分が伸ばしていかないと順位が下がってしまうという緊張感はあった」。2番から3連続バーディーの好発進を決めると、グリーンが小さく「郵便切手」と呼ばれる最難関の8番パー3でも奥のピンを果敢に攻め、左手前1・5メートルにピタリとつけて伸ばした。

 後半はチャンスを決められず、伸ばすことはできなかったが堅実にパーを重ねた。この日、ノーボギーのラウンドは上田を含めて3人だけ。「やっと終わった。充実感もあるけど、すごくタフな4日間だった」と達成感をかみしめた。

 コロナ禍にあって、迷った末に決めた全英出場。そこには豪雨で被災した故郷・熊本への思いもあった。「自分が頑張って、『熊本人頑張るぞ』っていうのを届けたいなと思った。でも自分の方が頑張れって応援されたので、こっちの方がありがたかった」。故郷のみならず、日本中に勇気を届けた34歳は、逆に感謝の言葉を口にした。

 6位はメジャー自己最高位。2008年の全英で7位に入った22歳の自分を超えた。「頭の中で自分の引き際がどこかと考えるのは、もう最後と決めないと死ぬほどは頑張れないから」と、常に引退を念頭に置いている。それでも今大会で「まだまだ、うまくなれる」と自身に“伸びしろ”を感じ取った。

 「現役でやっている以上は一番上を目指してやるのがアスリートの使命だし、そこに向かえることが楽しみでもある」。黄金世代をはじめとする若手が台頭する日本ゴルフ界にあって、上田の存在感はさらに輝きを増していく。

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