小平が日本人最速!米ツアー初V “無名の侍”プレーオフ制した

 「米男子ゴルフ・RBCヘリテージ・最終日」(15日、ハーバータウン・リンクス=パー71)

 小平智(28)=Admiral=が6打差12位からの大逆転劇で、米ツアー初優勝を果たした。7バーディー、2ボギーの66と伸ばし、通算12アンダーで並んだ金シウ(韓国)とのプレーオフを制した。米ツアー優勝は日本勢5人目で、出場15試合目での制覇は松山英樹の26試合目を抜く最速記録。賞金120万6千ドル(約1億2900万円)を手にするとともに、念願の米ツアー出場資格も2019~20年シーズンまで獲得した。

 優勝トロフィーを手にした小平は、少し照れた笑顔で、ずっと夢見てきたスポットライトを浴びた。「目指していた舞台で、こんなに早く優勝できるとは思わなかった」。日本人最速となる出場15試合目で米ツアー制覇を果たしたヒーローは、まだどこか夢見心地に快挙を振り返った。

 もたつく上位を尻目にするすると順位を上げ、金シウとの日韓プレーオフ決戦に突入。迎えた3ホール目、7メートル超のバーディーパットを先にねじ込み「今までの優勝で一番、頭が真っ白になった」。6打差12位からの大逆転劇を成し遂げた“無名”の日本人を、ギャラリーの大喝采が包み込んだ。

 持ち味のショットの精度と、バーディーを狙う強気なゴルフで世界1位D・ジョンソン(米国)ら飛ばし屋を一蹴した。今大会4日間の平均飛距離271・6ヤードは全体65位だが、フェアウエーキープ率は75%で4位、パーオン率は65%強で7位。米ツアーでは小柄な172センチでも、世界と戦うすべがあることを示してみせた。

 元賞金女王の妻、古閑美保さん(35)は小平のゴルフを「プレッシャーがかかるほど、彼はドライバーを振りにいく。アイアンだって、ピンにしか向かわない。こんな選手は女子にはいない。見ていて、本当にドキドキする」と評する。小平にとって、その攻撃的なスタイルを貫く重要性を突きつけられた試合があった。

 17年6月に初出場した全米オープン。厳しいピン位置でも果敢に攻め抜く海外の強豪を目の当たりにした。「守るだけじゃ、この人たちには絶対に勝てない。そこはすごく学んだ」。世界を肌で知り、さらに自身のスタイルを研ぎ澄ました。「すべてはメジャーで勝つため」。新たなステージへの扉を、自らの力でこじ開けた。

 「少しは(松山)英樹に近づけたのかな」。憧れの舞台、米ツアーのメンバーに加わる資格を手に入れた。日本のエースへの対抗心も隠さず、力強い視線で新天地を見据えた。米ツアー初優勝も、小平には通過点でしかない。

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