宮里藍 涙の最終ラウンド「楽しめた」 ありがとう…そしてお疲れさまでした

 「米女子ゴルフ・エビアン選手権・最終日」(17日、エビアンリゾートGC=パー71)

 宮里藍(32)=サントリー=が2バーディー、4ボギーの73で回り、通算1オーバーの32位で現役最後の大会を終えた。2003年のデビューから14年、女子ゴルフ界をけん引し続けてきた宮里に、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)の樋口久子相談役(71)が惜別のメッセージを贈った。首位と1打差の2位から出た上原彩子(33)=モスバーガー=は75と崩れ通算4アンダーの10位。アンナ・ノードクイスト(スウェーデン)が通算9アンダーで並んだブリタニー・アルトマレ(米国)とのプレーオフを制し、メジャー通算2勝目を挙げた。

 約14年のプロ生活を締めくくるパーパットを沈めると、もう涙を我慢することはできなかった。特別な感情に揺れた最終ラウンド。

 「本当に最後なので楽しんでもいいのかなという自分もいたり、やっぱりアンダーパーで終わりたいという自分もいた。それも含めて楽しめた」

 スコアを伸ばすことはできなかった。それでも戦い終えた宮里藍は解放感に包まれていた。

 「一つだけ言うとすれば、やっぱりメジャーのタイトルが欲しかったのはあるけど、世界(ランキング)1位になれた。夢にも思っていなかった。想像していた以上のものをやれた」

 真っ赤な目で「やり切った」と胸を張った。03年にアマチュア選手としてプロツアー優勝を果たし、史上初の高校生プロとなった。デビュー以来絶えず日本中から注目を集めた“藍ちゃん”は、小さな体で期待や重圧を受け止めてきた。

 「真摯(しんし)にゴルフと向き合えた。ゴルフを通じてたくさんの人とつながれた。自分が大きく成長できたと思う。毎週のように14年間プレッシャーの中で戦ってきた。心身ともすごく頑張ってきたので、まずは(自分に)お疲れさまと声をかけてあげたい」

 一つの役目を終えた32歳のベテランは、後輩に「安心して託せる」とバトンを渡した。

 今後については「年内はとにかくゆっくりしたい」と話し、現役復帰の可能性はあらためて否定。しばらくは倒れた父、優さんのサポートに回るという。

 「来年1年かけて次にやることを考えたい。ゴルフを通じていろんなことをやっていきたい。これからの方に楽しみを感じている」

 兄の優作は「ジュニアの育成に携わってもらいたい」と語る。東京五輪の日本代表コーチ就任を望む声もある。しばしの休息を経て、新たな道へと歩みを進める。

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