酒井美紀がメジャー初制覇へ王手 曲がらないドライバー「これが普通」
「女子ゴルフ・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯・第3日」(10日、登別CC=パー72)
初日3位、前日2位の酒井美紀(25)=国際スポーツ振興協会=が2バーディー、2ボギーでスコアを守り、通算1アンダーで首位に躍り出た。2年ぶりのツアー通算3勝目、メジャー初制覇をグッと引き寄せた。
曲がらない。大きな体をよじって振り切るドライバーショットの方向性が酒井のゴルフを支える屋台骨だ。「ゴルフを始めた頃から曲がらなかったですね。ドライバーでOBを打ったのも今年5月の中京テレビ・ブリヂストン最終日(8番)の1発しか記憶がない」。
この日も、多くの選手がティーショットをラフに打ち込んで苦しむ中、「フェアウエー外したのは2回。でも、私はこれが普通です。飛ばないので、フェアウエーを絞ってある場所まで行かないですし」と酒井。1番ホールで測定されているドライバーショットの飛距離は、初日が190ヤード、2日目が192ヤード、この日が198ヤードと、出場選手の中では下位だ。
それでも4番405ヤードのパー4で残り200ヤード以上の第2打を3番ウッドで4メートルに。5番では160ヤード残した第3打を3メートルにつけ、連続バーディーを奪った。「セカンドショットはウッドとか長いクラブを持っても自信があります。それに毎年北海道に来ると調子がよくなる。ベント芝のターフが取れて飛んでいくのが好きで、練習も楽しくて」。後半2ボギーを献上したものの、通算アンダーパースコアを守り首位浮上だ。
初優勝から年間2勝を果たした14年は6位になった賞金ランクも、今季は55位と低迷中。前週までのシーズン獲得賞金1175万円余と、来季シードも確定していない。だから「(メジャー)タイトルよりも、賞金を稼がなきゃいけないと思ってる」と、優勝への欲はない。それが上位の他選手にない強みになるかもしれない。