出口クリスタさん、急きょ“引退試合”で有終「聞いてない」首謀ウルフアロンの悪ノリに怒りも万感「楽しかった」最後は100キロ超巨体の男子中学生に一本勝ち「恨みます」

 21年東京五輪柔道男子100キロ級金メダリストでプロレスラーのウルフアロン(30)が25日、出身地の東京都葛飾区で行われた少年柔道大会「ウルフアロン杯」に出席した。柔道教室の時間には、24年パリ五輪女子57キロ級金メダリストの出口クリスタさん(30)がシークレットゲストとして登場。騒然となったが、さらにウルフがサプライズで計画した出口さんの“引退試合”として大会優勝者と戦うことになり、8戦全勝で有終の美を飾った。

 首謀者ウルフの悪ノリに「聞いてない」と頬を膨らませた出口さんだったが、久々の実戦モードに入ると、女子小中学生を相手に得意の大内刈り、大外刈りなどで一本勝ちを連発。さらに、最後は自ら志願してきた男子中学生と戦うことになった。両親がナイジェリア出身で、競技歴は半年ながら身長約180センチ、体重100キロ超という規格外の大型選手を相手に「無理無理無理」と当初はたじろいでいた出口さんだったが、組んでしまえば金メダリストの大内刈りで吹っ飛ばした。

 長野出身で3歳から柔道を始め、カナダ代表として五輪女王に輝き、今年3月に引退を発表。最近ではABCテレビの人気番組「相席食堂」にも出演するなど活動の場を広げている出口さんだが、24年夏のパリ五輪以降は実戦の機会がなかっただけに「(試合すると)聞いてなかったけど、たしかに五輪以降は試合してないので楽しかったです。悪ノリで腹が立ったけど、久々に楽しく試合できました」と満面の笑みを浮かべた。

 一方、果敢に挑んで敗れた男子中学生は「絶対勝てると希望を持って挑戦したけど、全然ダメでした。強かったです」と怖いもの知らず。また、柔道教室のトークショーでウルフが「恨むこともいい。自分が負けた相手を嫌いになるくらい、なにくそという気持ちで練習したら強くなれる」と語っていたのが印象に残った様子で、「出口さんを恨みます!次は絶対に勝ちます」と素直に受け止めていた。“逆恨み”を伝え聞いた出口さんは「ハハハ(笑)。それが彼のモチベーションになるなら、私は悪役でも全然買って出ますよ。あの子は体も大きいし、力が強いし、本人のやる気次第で強くなれる」と気前の良さをのぞかせた。

 同学年の盟友の“ラストマッチ”を演出したウルフは「僕もそうだけど、柔道家は最後に楽しんで試合した方がいい。勝っても負けても最後って気持ちで試合できるのは引退試合だけ。こういった機会にやってもらえてよかった」と実感を込めた。

 昨秋から春と秋に年2度開催している「ウルフアロン杯」では、今年5月にはウルフの元付け人だった宇田川力輝さんが“引退試合”として大会に出場し、決勝で華々しく散っている。「次も引退試合をしてない選手に出てもらおうかな」。あご髭をさすりながら、今後も“成仏”できていない元トップ柔道家の有終の場としてシリーズ化する構想を練っていた。

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