30年冬季五輪でノルディックスキー複合除外 レジェンドの渡部暁斗「行き場のない怒りみたいなのが心の中から湧き上がっている」
ノルディックスキー複合男子で、25~26年シーズンで引退した渡部暁斗さんが8日、オンラインで取材に応じた。7日にスイスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、フランス・アルプス地域で開催する2030年冬季五輪からノルディックスキー複合の除外(or存続)が決定。五輪6大会連続出場のレジェンドは「非常に残念ですという一言。本当に悲しさと悔しさと行き場のない怒りみたいなものが心の中から湧き上がっているのが率直な気持ちです」と語った。
ノルディックスキー複合は、ジャンプとクロスカントリー(距離)を組み合わせた種目で、五輪では1924年シャモニー大会から実施されてきた伝統競技。勝利にはスキーの総合力が必要とされ、優勝者はキングオブスキーと称される。
日本勢は荻原健司らが92年アルベールビル、94年リレハンメル両五輪の団体で金メダルを獲得。渡部暁さんは2014年ソチ五輪から3大会連続で表彰台に上がり、日本ではなじみのある競技となっている。
しかし、IOCは強豪国が偏っていることや、集客と放送の視聴率などを問題視。五輪では女子が採用されておらず、ジェンダー平等の観点からもネックとなっていた。22年には、人気や普及度などで飛躍的な向上がなければ「五輪で行うことは極めて厳しい」と30年大会での除外の可能性を示していた。渡部は「なんで自分たちの競技なんだろうと正直思いました。いろんな指摘を受けて理由を挙げられて除外となったわけですけど、小さい差だと思うんですよね。当てはまる競技は冬季競技には多いと思う。環境が限られていますし、どの国の人も分け隔てなくできるわけではない。その中でいろんな理由があってその差はそんなに大きくないはずなのに、なぜ除外になったのかというのが頭から消えない」と語った。
34年の五輪では復活の可能性もあるが「今はそこまで考えられていない。これから関係者みんなでいろんなアクションを起こしていかないといけないという中で、わからないというのが正直なところ」と話した。
渡部さんは、2月のミラノ・コルティナ五輪開催中に自身のSNSで大会の観戦を呼びかけるなど競技存続に向けて行動。4月の取材時には「(2030年冬季五輪の競技実施が)採用なら全力で盛り上げていきたいですし、不採用になった時は自分が動いたからといって再び採用されるかは分からない」などと話し、第一人者としての胸中を明かしていた。
