丸山希 日本勢メダル第1号の金へジャンプ!初戦ノーマルヒルは開会式翌日2・8 今季W杯5勝 左膝前十字靱帯損傷乗り越え
2月6日に開幕するミラノ・コルティナ五輪へ向けて、アスリートや支える人たちなどを紹介する「ミラノへ駆ける」。今回はノルディックスキー・ジャンプ女子の丸山希(27)=北野建設=を取り上げる。今季のW杯個人戦では開幕3連勝を含めて計5勝を挙げ、9度の表彰台に立ったニューヒロイン。初出場の夢舞台で日本勢メダル第1号と、金メダル獲得を狙う。
3週間後に開幕が迫った初の五輪に緊張する様子はなく、丸山は柔らかい表情を浮かべた。「ノーマルヒルより(新採用の)ラージヒルの方が得意で、個人的には楽しみ。どちらも自分のジャンプができれば。今、日本チームに勢いがあるので混合団体に出たい気持ちもすごく強い」。悲願の金メダル獲得を狙う。
スキーが盛んな長野県・野沢温泉村の出身。1998年長野五輪が行われた4カ月後に生まれ、小学生時代は同五輪の閉会式でも流れた「WAになっておどろう」を音楽会などで歌って育った。
幼少期から板を履き、兄や姉の影響で小学4年生から本格的にジャンプを始めた。五輪を志したきっかけは、14年ソチ五輪の前。それまでは女子種目の実施がなかったため「五輪って?」と大舞台を目指すイメージが湧かなかったが、ナショナルチームの活動中に目にする五輪代表の姿や、同五輪の男子ラージヒルで銀メダルを獲得した葛西紀明(土屋ホーム)の活躍を見たことで、「輝かしい舞台を自分も目指したい」と思うようになった。
大けがを乗り越えた。22年北京五輪の4カ月前に開催された21年全日本選手権。着地で転倒して左膝前十字靱帯(じんたい)を損傷する重傷を負い、出場がかなわなかった。懸命なリハビリを終えて翌シーズンから復帰したが、恐怖心がつきまとう。K点を越えるジャンプをすれば着地でしゃがみこんでしまうこともあったが、復帰後はゲートを上げて飛距離を出す練習などから逃げずに取り組み、少しずつ怖さを取り除いていった。
「ゼロからスタートした4年間で苦しい時間もあったけど、今こうして競技を楽しめている。たくさんの人に支えてもらってまたジャンプが飛べているし、いろんな人が背中を押してくれた」
苦難を乗り越えた先で才能は開花した。足裏の感覚を意識したトレーニングを昨年から取り入れたことで助走姿勢が低くなり、飛び出すまでの一連の動きがスムーズになって飛距離が向上。サマーグランプリで総合優勝すると、11月の全日本選手権ラージヒルで初優勝した。「ケガをしたリベンジを果たせたのかな」。冬に入っても勢いは止まらず、ここまでのW杯では開幕3連勝を含めて計5勝。9度の表彰台に立ち、一気に五輪のメダル候補に名乗りを上げた。
五輪では25年世界選手権2冠のニカ・プレブツ(スロベニア)ら強敵と争いながら、ノーマルヒル、ラージヒル、混合団体の3種目で頂点を狙いに行く。「五輪で金メダルを取りたいのが一番大きな目標。みなさんがオリンピックに向けて意識してくれているので、楽しみ感は上がってきている」。初戦は開会式翌日の7日(日本時間8日)に行われるノーマルヒル。27歳の丸山がイタリアの地で大輪の花を咲かせる。
◆ノルディックスキージャンプの五輪への道 24~25年、25~26年シーズンの国際スキー・スノーボード連盟(FIS)W杯、サマーグランプリ、世界選手権において①~③の成績を収めた選手が派遣対象となる。①8位以内の成績を1回以上、②10位以内の成績を2回以上、③15位以内の成績を3回以上。26年1月19日までに①②③を満たした選手の中から、基準日時点の25~26年シーズンのW杯ランキング上位者より選出する。
◇丸山希(まるやま・のぞみ)1998年6月2日、長野県出身。兄や姉の影響で小学校4年から本格的にジャンプを始めた。飯山高、明大を経て北野建設に所属。世界選手権は4度出場し、23年大会ではラージヒル4位に入った。昨夏の国際大会、グランプリで個人総合優勝した。身長161センチ。



