高校ラグビー 創部100年の秋田工が逆転勝利
「全国高校ラグビー・1回戦、秋田工22-11専大松戸」(28日、花園ラグビー場)
名門・秋田工のピンチを救ったのは、CTB近藤龍之介(3年)の個人技だった。創部100年を迎えた記念の大会で、秋田工は73度目の花園に当然、強い思いで足を踏み入れた。
同校の“伝統技”でもあるモールでの押し込み。ここで「よく研究して、対策された」(沢木賢一監督・54)と、アドバンテージを生み出せなかった。むしろFW陣が押される場面が目立ち、焦りからオフサイドを連発、前半は追う展開となった。
しかし、それなら「バックスで取り切ろう」(近藤)という二枚腰を使えることも、伝統校の強みだ。
0-3の前半11分、敵陣15メートル付近のラックからつなぎ「ボールが来たら全部(トライを)取る気持ちだった」と最後は左中間に切れ込んで逆転トライを奪う。
同25分はまたも3点を追う展開の中、同じようにラックからつないで、2度目の逆転トライだ。
近藤は「スピード、球際の速さ、というのが僕たちバックスの強み」と胸を張る。
課題は、接点。沢木監督は「修正しないと(次戦以降、通用しない」と話し、近藤も「近場(の圧力)は負けちゃった」と認める。そこで伝統の強さを取り戻し、2回戦・御所実(奈良)では「常にアタックをかけ切ることができれば勝てる」(同)と話す。
100周年。「プレッシャーを励みに変えて」(沢木監督)、目標とするベスト8を目指していく。





