藤波朱理 150連勝でV 敗戦危機乗り越え歓喜の涙「負けるのが怖い。勝ち切れて良かった」

 「レスリング・全日本選手権・最終日」(21日、駒沢体育館)

 女子57キロ級決勝で藤波朱理(22)=日体大=が徳原姫花(自衛隊)に4-2で競り勝ち、2017年9月からの連勝を150に伸ばし、53キロ級を含め4度目の優勝を果たした。62キロ級は決勝で尾崎野乃香(慶大)がパリ五輪金メダルの元木咲良(育英大助手)を破った。50キロ級は五輪2大会連続メダルの須崎優衣(キッツ)が制した。男子のフリースタイルは65キロ級で五輪王者の清岡幸大郎(カクシングループ)が、グレコローマンスタイル77キロ級は五輪覇者の日下尚(マルハン北日本)がそれぞれ優勝した。

 無敵の女王がもがき苦しみ、耐えに耐えた。決勝で藤波はフォール負けの危機に。8年半ぶりの敗戦と背中合わせの末、150連勝にたどり着き「負けるのが怖い。負けると全てが崩れる。勝ち切れて良かった」と涙が頰を伝った。

 第1ピリオド残り約25秒。タックルに失敗し、徳原に上から押さえつけられる。珍しい藤波のピンチに歓声とどよめきが交錯する。必死に肩を浮かし、首でブリッジする執念で脱した。

 第2ピリオドもリードを許し、残り1分を切る。「最悪の状況は日々、想定している」と一瞬の好機を探り、片足タックルから体を預け、2点を奪って逆転。勝利をつかむと、拳を握りしめた。

 パリ五輪を制した53キロ級から57キロ級に上げて目指す五輪2連覇。新階級では相手のパワーに苦しみ、試行錯誤する。眠れずに緊張もあったという。「スリリングなレスリングは楽しかった。私は挑戦者。強くなりたい」。最後にすっきりとした笑顔で、闘う喜びをかみしめた。

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