久保凛 高校最後の駅伝で9人抜きも涙「まだまだ自分は弱い」 7位終戦あふれ出た仲間への感謝の気持ち

 目に涙をためながら取材に応じる(撮影・中野裕美子)
 タスキを渡した後、失意の表情を浮かべる東大阪大敬愛・久保凛(撮影・山口登)
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 「全国高校駅伝」(21日、たけびしスタジアム京都発着、女子=5区間)

 女子の2区(4・0975キロ)で800メートルの日本記録保持者、東大阪大敬愛(大阪)の久保凛(3年)が9人を抜き、18位から9位へ押し上げる区間3位の走りでチームは7位となり、2年連続の入賞に貢献した。長野東(長野)が1時間6分30秒で2年連続3度目の優勝。男子は学法石川(福島)が、2023年に佐久長聖(長野)が記録した2時間1分0秒を24秒更新する2時間0分36秒の大会新記録で初優勝した。

 高校最後の駅伝を走り終え、久保はしゃがみ込み地面に両手をついた。昨年に続く2区で、18位で受けたタスキを9人抜いて9位でつないだが、目標の優勝には届かなかった。「順位は納得いかなかったが、敬愛高校に貢献したい気持ちで思い切った走りができた」。校名を口にすると、大きな瞳から涙があふれた。

 専門の800メートルではない4キロ超で、昨年は16人抜いて区間賞の12分47秒。雨にたたられたこの日は13分2秒で区間3位だった。「今の実力がこのタイム。まだまだ自分は弱い」と悔しがるが、主将として見事にチームを7位入賞へと導いた。

 仲間と切磋琢磨(せっさたくま)した3年間は、知名度でも「サッカー日本代表・久保建英のいとこ」から堂々の「日本記録保持者」に引き上げた。シニア大会デビューの昨年は、800メートルで1分59秒93の日本新記録を樹立。今年7月の日本選手権は1分59秒52に更新して2連覇し、世界選手権東京大会に出場した。「1年生で先輩の背中を見て育ち、みんな速くて負けられないと思ったし、先輩になって後輩の成長する姿に自分も頑張ろうと思った」。感謝の言葉から充実感があふれた。

 数々の経験を糧に、今後も世界の頂点を目指す。「五輪や世界選手権でメダルを取れる選手になりたい」と、トップランナーとしての将来像を見据えた。

 ◇久保 凛(くぼ・りん)2008年1月20日、和歌山県串本町出身。小学5、6年のときに県内の大会で記録を出したことをきっかけに、中学1年で本格的に陸上を始めた。800メートル日本記録保持者。24、25年に日本選手権を連覇。25年の世界選手権東京大会出場。小学1年から6年までサッカーをし、6年時に串本ジュニアFCで近畿大会出場。いとこはサッカー日本代表MFでレアル・ソシエダードの久保建英。

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