26歳・杉原愛子 種目別床で金メダル!村上茉愛に続く日本勢2人目 初出場から10年「驚きとうれしさ」

 女子種目別床運動で優勝し、金メダルを手に笑顔の杉原愛子(中央)=共同
 世界選手権女子種目別の床運動で優勝し、日の丸を掲げる杉原愛子(共同)
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 「体操・世界選手権」(25日、ジャカルタ)

 種目別決勝が行われ、女子は26歳の杉原愛子(TRyAS)が13・833点の床運動で金メダルに輝いた。2017年、21年大会の村上茉愛に続く日本勢2人目の頂点。平均台は銅メダルで、6年ぶり5度目の代表で初の表彰台に立った。男子は初出場の19歳、角皆友晴(順大)が平行棒で、橋本大輝(日本生命・セントラルスポーツ)が鉄棒で、いずれも銀メダルを獲得した。パリ五輪3冠の岡慎之助(徳洲会)は平行棒7位で初出場の今大会をメダルなしで終えた。

 両手で頭上に王冠を形作る締めのポーズは、女王になる自身をイメージしたもの。平均台の銅メダルで「ゾーンに入った」杉原が、最も得意な床運動で世界一に上り詰めた。初出場から10年。観客席で日の丸を振る家族を見ると「驚きとうれしさ。感謝の気持ちでいっぱい」と感極まった。

 10代の選手が活躍する女子の体操界で常識を覆した。2021年東京五輪後に第一線を退き、指導者として基礎の大切さを再確認。審判も務めて採点傾向を学んだ。床運動のEスコア(実施点)は10点満点でただ一人8点超え。基本に忠実で表現力あふれる体操が勝利につながった。

 年を重ねるごとに疲れは抜けにくくなり、NHK杯を初制覇した高校時代のような練習量は積めない。会社の社長として競技の普及にも奔走。「質」を追求することで、今年は10年ぶりのNHK杯制覇と復活を遂げた。

 予選2位で臨んだ個人総合決勝は落下のミスで7位に終わり、悔し涙を流した。大学卒業を機に引退する女子選手が大半を占める中「長く続けられるよ、と伝えられたかな」と口にした26歳のベテラン。優勝の意義をかみしめつつ「さらに進化、成長した姿を見せたい」と誓った。

 ◆杉原愛子(すぎはら・あいこ)1999年9月19日、大阪府東大阪市出身。東京・藤村女高から武庫川女大に進学した。五輪は16年リオデジャネイロ、21年東京の2大会に出場。22年に第一線を退き、23年に復帰した。世界選手権の個人総合は17年6位、今大会7位。今年5月のNHK杯を10年ぶりに制した。152センチ。

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